大阪府貝塚市の岸壁で2024年11月、顔や両足に布テープが巻かれた男性の遺体が見つかった事件で、大阪府警は27日、男性を窒息死させたとして大阪市中央区の飲食店経営、中村僚希(ともき)容疑者(27)を殺人容疑で逮捕した。
逮捕容疑は24年10月26日深夜から27日昼までの間、大阪府内かその周辺で飲食店アルバイトの男性(当時26歳)=大阪市西区=の顔に布テープを巻き、窒息死させたとしている。府警は当初、男性がショック死した疑いがあるとみていたが、口や鼻を塞がれて呼吸できずに死亡したと判断した。認否は明らかにしていない。
府警捜査1課によると、容疑者と男性は飲食店の共同営業を計画。物件契約時に男性の親族が連帯保証人になったが、保証人の名義変更を巡りトラブルになっていたという。
中村容疑者は知人2人とともに、大阪市内で10月26日深夜に男性を車で連れ去ったとされる。容疑者はこの後、男性を乗せた車を1人で運転。27日昼ごろ、衣服を脱がせた男性の遺体を大阪府岸和田市内の海に遺棄したとされる。身元の判明を遅らせる目的だったとみられる。
遺体は11月9日に貝塚市の岸壁で発見された。中村容疑者と知人2人は監禁などの疑いで逮捕・起訴され、死体遺棄容疑で再逮捕されていた。大阪地検堺支部は27日、中村容疑者を死体遺棄罪で起訴。残る2人は処分保留とした。【林みづき、斉藤朋恵】