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京アニ放火殺人事件 青葉真司被告の死刑確定 控訴取り下げで

毎日新聞 2025年1月28日 17時23分

 36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(46)が控訴を取り下げたことが明らかになった。1審では求刑通り死刑が言い渡され、2審でも刑事責任能力の有無や程度が争点になる見通しだった。控訴は被告本人が取り下げることが可能で、死刑が確定した。27日付。

 一方、被告の弁護人が取り下げの効力について、無効だと訴える可能性は残されている。

 平成以降で最多の犠牲者を出した放火殺人事件だった。被告も重度のやけどを負い、約10カ月にわたる入院治療や手術を経て回復し、1審・京都地裁の法廷に車椅子に乗せられたまま出廷した。

 被告は23年9月の初公判で「当時はこうするしかなかった」と述べ、起訴内容を全て認めた。弁護側は被告には精神障害による妄想があり、刑事責任を問えない状態だったとして無罪を主張していた。

 これに対し、24年1月の判決は、被告が京アニのコンクールに応募した小説を盗用されたと思い込み、一方的な恨みを募らせたと認定。事件直前の行動は合理的だったとして刑事責任能力に問題はないとし、「残虐非道な犯行で死刑を回避する余地はない」と結論付けた。

 被告や弁護人は1審判決を不服として大阪高裁に控訴。弁護側は24年9月、控訴審でも刑事責任能力を争う方針を示す書面を高裁に提出していた。控訴審の日程はまだ決まっていなかったが、今月27日付で被告本人が控訴を取り下げたという。これを受け、高裁は刑事裁判を終結したと明らかにした。

 1審の被告人質問などで被告は「こんなにたくさんの人が亡くなると思わなかった。現在ではやり過ぎたと思っています」と言及。公判終盤では法廷に立った遺族からの質問に「申し訳ないと思います」と謝罪していた。

 1審判決によると、被告は19年7月18日午前10時半ごろ、京アニ第1スタジオ(京都市伏見区)にガソリンをまいて火を放ち、社員ら36人を殺害、32人に重軽傷を負わせた。【木島諒子】

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