29日午前4時20分ごろ、大阪市東成区中道4の3階建て民家で「煙が出ている」と近隣住民から119番があった。火は約9時間後に消し止められたが、焼け跡から3人が病院に搬送され、年齢・性別不詳の2人の死亡が確認された。残る1人は50代とみられる男性で意識不明の重体という。
大阪府警東成署などによると、この家には高齢夫婦と息子の3人が暮らしていたという。いずれも出火後に連絡が取れておらず、署は搬送された3人の身元を調べている。
火災で民家の2、3階部分約130平方メートルが燃えたほか、近くの別の民家や共同住宅にも延焼した。消防などが出火原因の特定を進める。
近所の70代の女性によると、火元とみられる民家の高齢夫婦は夫が車椅子を利用し、妻も最近はデイサービスを利用していたという。女性は「消防車が来て火災に気づいたが、2階の窓から火が噴き出していて驚いた」と語った。
別の女性は「当時は風もあり、火の勢いがすごかった。近所の人たちでなんとか救助してあげたかったが、できなかった」と話した。
現場はJR玉造駅から北東に約500メートルの住宅街。【小坂春乃、面川美栄、斉藤朋恵】