1966年6月に静岡県清水市(現静岡市)で一家4人が殺害された事件で、袴田巌(いわお)さん(88)の再審無罪が確定したことを受けて、成年後見人の弁護士が29日、国に身体拘束への刑事補償金約2億1700万円を求める請求書を静岡地裁に提出した。関係者への取材で分かった。
関係者によると、袴田さんが逮捕された66年8月18日から釈放された2014年3月27日までの47年7カ月分について、刑事補償法が定める上限の1日当たり1万2500円の補償を求めた。弁護側は、静岡県警と静岡地検が違法な捜査を行ったとして、県と国に冤罪(えんざい)の責任を問う国家賠償請求訴訟を起こすことも検討している。
袴田さんは14年に静岡地裁の再審開始決定で釈放された。静岡地裁は24年9月、袴田さんに再審無罪判決を言い渡し、確定した。【丘絢太】