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道路陥没、水や土砂に埋まり救助難航 埼玉・八潮 生活に影響も

毎日新聞 2025年1月29日 19時51分

 埼玉県八潮市の県道交差点で道路が陥没しトラックが転落した事故の発生から一夜明けた29日、消防は運転手の男性の救助作業を続けた。トラックの運転席は水や土砂に埋まった状態とみられ、男性の安否が確認できない状態が続いている。近くでは新たな陥没も発生し、県は下水道の使用自粛を要請。市民生活への影響も広がっている。

 県警や消防によると、事故は28日午前9時50分ごろ、八潮市二丁目の中央一丁目交差点で起きた。救助作業は日付をまたいで続き、29日未明には大型クレーンで転落したトラックの荷台部分を引き上げた。

 しかし、作業中に現場付近の飲食店駐車場と歩道で新たに陥没が発生。飲食店の看板や電柱が倒れるなどした。けが人はなかった。

 新たな穴は当初、幅約3メートルだったが、29日午前11時には直径約10メートルに広がった。陥没の影響でガス管が損傷する可能性があるとして、現場から半径200メートル以内の住民に一時避難指示が出された。消防はドローン(無人機)で状況確認を進めたものの、男性の安否は分かっていない。

 県によると、地下約10メートルにある下水道管が腐食して破損し、土砂が流れ込んで地中に空洞ができ、陥没した可能性があるという。付近は低地で地盤も比較的緩いといい、大野元裕知事は29日朝、報道陣に「陥没が拡大する可能性が否定できない。(影響の)長期化も懸念される」と述べた。

 現場付近は周辺市町からの下水道管が合流している。救助活動の影響で下水が流れにくい状態が続いており、上流で通常通り水を使い続けると下水があふれ出す可能性があるという。

 このため県は周辺12市町の約120万人に不要不急の下水使用や洗濯、風呂の利用を控えるよう呼びかけた。県は下水をくみ出す応急措置を続けるとともに、陥没現場の上流部で、水を取り込む施設がない川に下水を流す「緊急放流」を実施する準備を進めている。【安達恒太郎、田原拓郎】

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