有害性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)について、宇都宮市は30日、新たに市内5カ所(市域全体調査1カ所、周辺追加調査4カ所)の井戸水で国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超える値を検出したと発表した。
市環境保全課によると、市内では2024年11月、同市南高砂町の井戸水で同140ナノグラムを検出。12月に周辺1キロ範囲の9カ所を追加調査し、うち4カ所で同89~240ナノグラムを検出した。25年1月に更に7カ所を追加調査し、うち4カ所(雀の宮6、南町、富士見町、末広1)から同66~110ナノグラムが検出された。
また24年12月~25年1月、市全域を5キロ区分にした市域全体調査(19カ所)を実施し、うち1カ所(同市五代1)で同250ナノグラムを検出した。
市によると、このほか同市若松原3の井戸所有者から1月、自主調査で同70ナノグラムを検出したという情報提供があったという。
同課によると、暫定指針値を超えたPFASが検出された地点は全体調査の1カ所や自主調査の情報提供地点も含めて特定の範囲に集中。今後、更に追加調査を実施して、指針値超え検出範囲の確定と原因の究明を図る。また、井戸の所有者には既に水道水の飲用を助言し、周辺住民にも周知を図るとしている。【藤田祐子】