将棋の第83期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟主催)の第5局が5月29、30日に「ホテル山水」(茨城県古河市中央町1)で開催される。藤井聡太名人(22)か挑戦者のいずれかが4連勝しない限り、県内初の名人戦対局が実現する。針谷力市長は「注目度の高い最高位である名人戦を古河で開催できることは、一人の将棋ファンとしても非常にうれしく光栄」と期待感を高めている。
名人戦七番勝負は4月の第1局(東京・ホテル椿山荘東京)から第7局(山形・天童ホテル)まで開催が予定されている。先に4勝した棋士が名人のタイトルを獲得する。
針谷市長はほとんどのタイトル戦をインターネットで見る大の将棋ファン。「最近の藤井名人の差し手はすごい。王将戦1、2局も見応えがあった」と力説。「歴史と文化の町で開催することに意義がある。市民にも楽しんでほしい」と語る。
古河と将棋には縁があり、市長の中学・高校の同級生で古河大使も務めた俳優の故・渡辺徹さんはアマチュア将棋2段だった。2014年には日本将棋連盟から将棋親善大使に任命。藤井名人の活躍に注目し、20年のブログでは「いや~、しかし藤井七段は期待を裏切らない! またまた、鳥肌モノでした」などとつづっていた。
会場となるホテル山水は1947年にかっぽう旅館として創業。対局は38・5畳の和室「吉祥」で行われる。高橋采子社長は「歴史ある名人戦の会場に選んでいただき光栄。素晴らしい対局になるよう、おもてなしの準備を進める」と話す。
当日は市地域交流センター「ヤクルトはなももプラザ」で大盤解説も開催する。将棋歴50年という飲食店経営者(61)は「解説を一番前の席で見たい。藤井名人が勝負飯、デザートに何を食べるのかも楽しみ」と笑顔で語った。【堀井泰孝】