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「動く市役所」高齢者らの自宅へ 全国初、柔軟に対応 福島・いわき

毎日新聞 2025年1月31日 13時0分

 高齢者ら市役所に出かけるのが難しい市民の行政サービスに対応しようと、福島県いわき市は2月から、個別に予約した市民の自宅まで行政車両を運行するサービス「お出かけ市役所デマンド運行」を始める。内田広之市長が29日の記者会見で発表した。市によると、全国でも初めての取り組みだという。

 2月1日から予約を始め、7日から運行する。週3日の運行で、対象は高齢者のほか、障害者、妊婦、子育て世代など。主に福祉・保健関係の相談を想定している。定年を延長したベテランの職員が、通信機能などを搭載した多機能のワゴン車の運転もしながら広範囲にわたる要望を聞く。車両には担当課にオンラインでつなぐシステムも装備している。

 市は現在、中山間地域などの地域に出向くサービス「お出かけ市役所」を実施している。本格運用を始めた2023年度以降、同年の豪雨災害の罹災(りさい)証明書の申請や、移動期日前投票所など、82回の運行で383人が利用した。

 ただ、巡回する中で、「自宅に来てくれるサービスがあればありがたい」という声があったという。一つの相談ごとから「あれは?」「これは?」と派生して対応しきれないケースもあり、市の担当者は「デマンド形式なら個別対応なので、より深く柔軟に対応できるだろう」と話す。

 内田市長は「市内の各支所に行くのも困難な市民のため、きめ細かい行政サービスを推進していきたい」と述べた。

 予約は、スマートフォンから市のLINE(ライン)公式アカウントを「友だち」登録して利用できる「スマホ市役所」から。電話で市構造改革・DX推進課(0246・22・7473)に連絡して入力を代行してもらうこともできる。【柿沼秀行】

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