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京アニ事件 青葉死刑囚の控訴取り下げは「無効」 弁護人が申し立て

毎日新聞 2025年1月31日 13時31分

 36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、自ら控訴を取り下げて死刑が確定した青葉真司死刑囚(46)の弁護人が、取り下げを無効とするよう大阪高裁に申し立てたことが明らかになった。高裁は今後、取り下げの有効性を検討し、控訴審を開くかどうかを判断するとみられる。

 刑事訴訟法は被告本人が控訴を取り下げることができると定めており、これによって判決は確定する。法律に明確な規定はないが、弁護人が取り下げの効力を争うことは可能で、「死刑判決の衝撃で自分の権利を守る能力を欠いていた」として無効としたケースもある。

 青葉死刑囚を巡っては1審・京都地裁判決が24年1月、求刑通り死刑とした。弁護側は、死刑囚には精神障害による妄想があったと主張。刑事責任能力の有無や程度を争い、無罪だと訴えていた。

 控訴審でも責任能力が争いになる見通しだったが、死刑囚本人が1月27日付で控訴を取り下げ、死刑が確定。これに対し、弁護人が取り下げの効力を争う書面を提出。高裁が30日付で受け付けたという。

 無効を求める書面の内容は明らかになっていない。死刑回避を目指す弁護側としては、死刑囚が取り下げの効果を正確に理解していたかなどについて主張するとみられる。これを受け、高裁は非公開の手続きで検討を進める。

 1審判決によると、死刑囚は19年7月18日、京アニ第1スタジオ(京都市伏見区)にガソリンをまいて火を放ち、社員ら36人を殺害、32人に重軽傷を負わせた。平成以降で最多の犠牲者を出した放火殺人事件だった。【木島諒子】

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