神戸市中央区の中華街・南京町で100年以上続く豚まんの老舗「老祥記(ろうしょうき)」が31日、建て替えのため、現店舗での営業を終えた。観光客が行列をつくる人気店で、2月4日からは近くの姉妹店「曹家包子館(そうけぱおつーかん)」に老祥記の看板を掲げ、豚まんも販売する。
1915年創業。中国から来日した初代が、中国・天津の小ぶりでこうじを使ったまんじゅうを基に、日本人の好みに合わせ「豚饅頭(まんじゅう)」として売り出した。週末や祝日は長蛇の列ができ、南京町のシンボル的存在だ。
3代目店主の曹英生社長(68)によると、81年ごろに建てられたビルは阪神大震災(95年1月)で倒壊は免れたが、壁や柱に亀裂が入った。店は翌月1日に営業を再開し、炊き出しとして被災者に豚まんを振る舞ったこともあった。近年は上階で雨漏りがあるなど、老朽化が目立っていた。
曹さんは「新たな南京町の名所になるようなお店を目指したい。神戸名物として、建て替え後もおいしい豚まんをお届けしたい」と話す。新店舗は2026年11月ごろの完成を予定している。【柴山雄太】