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卵子凍結の費用、東京・港区が助成へ 都助成に最大10万円上乗せ

毎日新聞 2025年2月3日 8時15分

 将来の妊娠・出産に備える卵子凍結の費用を助成する東京都の制度を利用した港区在住者に対し、港区は独自の助成として、最大10万円を上乗せする方針を決めた。都内の自治体では初めての取り組みで、4月から実施する。

 一般的に卵子は加齢に伴い質が低下し、不妊の原因になるとされる。助成対象の卵子凍結は、妊娠を希望する女性が卵子を採取・保存しておくもの。

 都内の医療機関で採卵から凍結までを行うと、費用は40万円前後という。都は、都内の18~39歳の女性を対象とし、卵子凍結をした際に最大20万円を支給している。

 港区は、この制度を利用した同区在住者に、最大10万円を上限として追加で助成する。将来的に妊娠を希望する女性の選択肢を増やす狙いがある。

 港区の統計では、区内で2023年に生まれた子どもの母のうち、47%が35歳以上だった。第1子の出産に限っても、35歳以上の母が37%を占めた。23年の人口動態統計によると、第1子出生時の母の平均年齢は31・0歳で、港区では全国水準に比べて高齢出産の割合が高い傾向がある。

 区は、都の助成を受ける港区在住者は40人程度と推計するが、担当者は「助成額が最大10万円追加されれば、卵子凍結に踏み切る人が増えるはず」と予測。初年度は100人程度の利用を見込み、25年度当初予算案にその費用を計上した。

 また、区の担当者は「卵子凍結費を助成することは、高齢出産を助長することになりかねない」と指摘。「高齢出産には一定のリスクがあることなども若年世代に伝えたい」として、大学生や社会人向けにセミナーを開催する予定だ。

 清家愛区長は1月31日の記者会見で「ライフプランを考える上で正しい妊娠・出産の知識を認識し、卵子凍結も一つの選択肢として活用していただきたい」と述べた。【長屋美乃里】

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