兵庫県三木市を流れる美嚢(みのう)川にかかる黒滝は、条件が重なると全面が結氷し、氷瀑(ひょうばく)となることで知られている。残念ながら全面結氷は拝めなかったが、それでも冷え込んだ朝には写真愛好家が、滝をお目当てに続々と訪れていた。
滝は高さ4メートルで、幅30メートルにわたって水が流れている。川沿いに遊歩道や階段が整備されており、すぐ近くまで行くことができる。滝の形が似ていることから「兵庫のナイアガラ」と呼ばれることもあるという。
三木市観光振興課によると、全面結氷するのは数年に一度。二十四節気の大寒前後が多いそうだ。寒波が到来した1月10日、11日と早朝に現地を訪れたが、凍っていたのは多くても半分程度だった。それでも両日ともに写真愛好家が熱心にシャッターを切っていた。
10日朝に写真を撮りに来ていた男性は「冷え込む予報を見て、神戸市内から来た。きれいだが、全面が凍っていないので残念。また出直します」と話していた。
残念ながら、その後は両日以上の寒波はやって来ず、全面結氷を拝むことはできなかった。観光振興課の岩崎正勝さん(66)は「私が子どものころは、12月から一冬ずっと凍り続け大きな氷柱ができていた」とし、地球温暖化を実感すると話す。それでも「手軽な景勝地なので、ぜひ多くの人に遊びに来てほしい」と呼びかけた。
黒滝にはいつでも訪れることができるが、近くには駐車場がないため、車の場合約700メートル離れた山田錦の館(同市吉川町吉安)に止めて10分ほど歩く。【柴山雄太】