今季一番の強い寒気が流れ込む影響で九州でも4~6日、断続的に雪が降ると予想されている。九州の広い範囲で平地でも警報級の大雪となる恐れがある。大雪への備えはどうすればいいのか。
アウトドア衣料品を扱うワークマンプラス太宰府インター店(福岡県大野城市)では、雪対策の商品の問い合わせが相次いだ。特に、雪の上や凍った地面でも滑らずに歩ける防寒ブーツが好調で、大雪の予報を受けて数十足が売れ、在庫はなくなったという。
ホームセンターのグッデイ大野城店(大野城市)では25キロ入りの融雪剤(塩化カルシウム)が次々に売れ、3日昼ごろまでに売り切れた。グッデイの広報担当者は「1月の雪でも道路の凍結があったため、今回は事前に備えようという人が多いのでは」と話す。
3日には国土交通省が九州の広い範囲で高速道路や幹線道が通行止めとなる可能性があるとして、九州地方への緊急発表を今季初めて出した。大雪への注意点として①不要不急の外出を控える②外出する場合は車に冬用タイヤなどを装着する③滑り止め用に乾いた砂をペットボトルに入れて車に携行する――などを挙げる。
九州北部では1月の雪で公共交通機関が乱れ、車が立ち往生するケースも相次いだ。日本自動車連盟(JAF)福岡支部によると、1月9~12日の雪に関係したロードサービスの要請は560件に上り、うちスリップや雪で動けなくなった車が約180件、タイヤチェーンに関するトラブルが約150件だった。
JAF福岡支部の田上哲朗さん(56)は「雪が予報されている場合は車での外出を極力控えてほしい。どうしても外出する場合は雪が積もりやすい山間部は通らず、タイヤチェーンや事前の給油、非常用の水や食料などを十分に準備してほしい」と呼びかける。
2016年1月の寒波では福岡県大牟田市で氷点下7・4度を記録するなど九州各地で断水が多発し、福岡県では約22万戸が断水した。県は①屋外に露出した水道管や給湯の配管に保温材や布を巻く②布やちぎった新聞紙を入れたビニール袋をメーターボックス内に詰める③水道管が凍っても破裂する恐れがあるので急に熱湯をかけない――などとアドバイスしている。【長岡健太郎、平川昌範】