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三菱UFJ元行員を再逮捕 貸金庫から金塊2キロを盗んだ疑い

毎日新聞 2025年2月4日 11時30分

 三菱UFJ銀行の東京都内の支店の貸金庫から金品が繰り返し盗まれた事件で、警視庁捜査2課は4日、新たに金塊計2キロ(時価総額約2200万円相当)を盗んだとして、元行員の今村由香理容疑者(46)=東京都練馬区=を窃盗容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。

 捜査関係者によると、今村容疑者は2024年3月中旬ごろ、営業課長を務めていた練馬支店の貸金庫に2回侵入し、行内に保管されていた「予備鍵」とマスターキーを使って、顧客の80代男性が利用する貸金庫を開け、金塊計2キロを盗んだ疑いがある。

 盗んだ金塊は都内の2カ所の質店に質入れして現金を借り入れ、他の顧客の貸金庫に補塡(ほてん)していたとみられる。容疑を認めているという。

 今村容疑者は20年4月ごろ、江古田支店で貸金庫業務の管理を任されるようになった。江古田支店と合併された練馬と、次に異動した玉川の2支店での約4年半で、顧客60人以上の貸金庫から、金塊は時価総額で7億円以上、現金は10億円以上を盗み出していたとされる。

 遅くとも5年ほど前から、外国為替証拠金取引(FX)への投資や競馬などで多額の損失を出していた。FXだけでも損失は約10億円に上り、これまでの調べに「返済に窮していた」と供述しているという。

 貸金庫の顧客が来店した際などには、盗難が発覚しないように、他の顧客の貸金庫から一時的に金品を補塡していた。その際、金品の移動をスマートフォンで撮影して記録し、盗難が発覚しないように帳尻を合わせる「自転車操業」を繰り返していたとみられる。

 事件を受け、同行は今年1月、半沢淳一頭取ら役員5人の報酬を減額する社内処分を発表。被害に遭った顧客への弁済を進め、貸金庫内に防犯カメラを設置するなど再発防止策を検討している。【遠藤龍】

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