明治神宮外苑地区の再開発を巡り、事業者代表の三井不動産は、港区道沿いなどのイチョウ19本の移植の可否を判断する調査を始め、4日に調査状況を報道陣に公開した。調査の結果、移植困難と判断されれば伐採する可能性もあるという。
再開発では地区のシンボルである「4列のイチョウ並木」は保全されるが、並木の途中を折れて秩父宮ラグビー場に向かう区道沿いの2列18本と、並木近くの1本については移植を検討するとしていた。区道周辺には新しい神宮球場が建設される。
3日から始まった調査では19本のうち2本を先行して調べる。根や土壌の状況を確認し、根の表皮をはいで発根を促す「根回し」や、土を入れ替えるなどして発根しやすい環境を作る措置を実施。約1年経過観察した上、残る17本も調査する。
神宮外苑の再開発を巡っては、多くの樹木が伐採されることから市民団体などの反対が根強い。事業者は伐採本数を減らすなどした見直し案を都の審議会に報告し、2024年10月から樹木の伐採を始めている。【山下俊輔】