今年も花粉の飛散が始まり、花粉症の症状を訴える人が出てきている。大手電機メーカーの調査によると、「エアコンをつけると室内に花粉が侵入してくる」と考えている人もいるため、メーカーなどは「一般的にはその心配はない」と、情報発信を強化している。
パナソニックは2025年1月、20~60代の男女524人を対象に、室内での花粉対策についての調査をインターネットで実施した。
花粉対策(複数回答)としては、空気清浄機の使用(42%)▽室内干し(36%)▽窓を開けない(33%)――などが多かった。中には実際に「エアコンの使用を控える」という回答も、全体の3%と少ないながらも存在した。パナソニックが23年に公表した調査では、「花粉がエアコンから屋内に侵入すると思う」と答えた人は46%に上った。同社の担当者は「誤解している方が多い」と指摘する。
エアコンは基本的に部屋の空気を吸い込んで暖めたり冷やしたりして、再び室内に吹き出している。担当者は「一般的な機種ではエアコンから花粉が入ってくる心配はないので使用を控える必要はない」と説明する。4日からは今季最も強い寒気が日本列島に流れ込み始めており、エアコンを適切に使う必要がある。
ただ、室内に入り込んだ花粉をエアコンの風が巻き上げてしまうことはある。このため「外出時に身体についた花粉は粘着ローラーや衣類用ブラシを使って玄関先で十分に落とすことや、水拭きで花粉を除去するなど定期的な室内掃除が大事」(担当者)という。
日本気象協会によると、25年春の花粉の飛散量は、例年に比べ多くの地域で増える見通し。スギ花粉は福岡や高松、東京などでは2月下旬が飛散のピークとなる。3月上旬から中旬になると、広島、大阪、名古屋、金沢、仙台など広い範囲でピークを迎える見通し。【町野幸】