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JR九州が駅トイレ改修に本腰 3月末までに10駅で 洋式化進める

毎日新聞 2025年2月6日 16時0分

 JR九州が、駅の古くなったトイレ改修に本腰を入れ始めた。経費の節減が続く鉄道事業はトイレ改修まで十分に手が回らず、乗客からのクレームもあった。今年4月から運賃を値上げする中、増加する訪日外国人らも含め、乗客の満足度を高めようと、数億円をかけて3月末までに約10駅で改修する。

 九州の玄関口である博多駅(福岡市)で昨年12月下旬、改修後のトイレが公開された。汚れが溜まりやすい床のタイルの継ぎ目を減らし、床や壁にも防臭素材を使用。個室には便座を拭くクリーナーを備えた。利用状況が分かる電子掲示板を入り口に設け、女性トイレは手洗い場の鏡を別の場所に移すなどの混雑対策も施した。

 駅の利用者数やトイレの状況で優先順位をつけ、3月末までに千早駅(福岡市)や香椎駅(同)など約10駅を改修する。JR九州によると、全571駅のうち4割で一部のトイレに和式が残っており、洋式化を進める。4月以降も順次改修を検討するが、利用者数の少ない地方の駅などは予算の都合上、難しい場合もある。

 人口減少や利用者の鉄道離れ、新型コロナウイルス禍などでJR九州は鉄道の減便や駅員の削減などを続けてきた。一方で利便性低下や窓口の混雑など駅にまつわる苦情がネット交流サービス(SNS)などで目立つようにもなっており、コスト削減と乗客の満足度向上の両立の模索を続けている。【久野洋】

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