茨城県教育委員会は5日、県立取手一高で放射性物質「酢酸ウラニル亜鉛」の1グラム瓶1本を保管していたと発表した。放射性物質など国際規制物質を保管するには原子炉等規制法に基づき国の許可が必要だが、取手一高では許可がなかった。生徒や職員などの人体への影響は確認されていないという。
県教委によると、2024年12月25日、取手一高化学準備室にある薬品庫内の廃棄作業を担当していた業者が、廃棄リストから薬品名を発見し学校に報告。理科の教職員が酢酸ウラニル亜鉛と書かれた瓶を見つけた。購入時期や使用実態は不明という。
瓶の表面から検出された放射線量は毎時0・09マイクロシーベルトで、国際放射線防護委員会が定める線量限度を超えていないため人体に影響はないとしている。高校側は、国の原子力規制委員会の指導を受けながら、保管に必要な手続きを進めている。
今回の事例を受け、県教委は県立学校119校に報告を求めたが、他に放射性物質を保管していた学校はなかった。【川島一輝】