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ツル越冬地に低速自動車 博物館職員が運転、無料でガイド 鹿児島

毎日新聞 2025年2月6日 8時45分

 低速の電気自動車「グリーンスローモビリティ」が2月、鹿児島県出水市のツル越冬地に導入された。同市荘のツル観察センターを起点に、来場者にマイカーなどを降りて自由に乗り合わせてもらい、東干拓という観察ポイントまでの約4キロを運行。飛来した約1万羽の観察を楽しんでもらう。

 長さ406センチ、幅156センチ、高さ192センチ、重量約1トンの6人乗り。最高時速19キロで公道を走る。愛称は「つるのしん号」で、車体にはツルがモチーフの市キャラクター「つるのしん」が描かれている。同市が県の補助金を得て約850万円で購入した。

 乗用車やバイク、タクシーでセンターを訪れるには入域料(越冬地環境保全協力金)が1台1000円必要で、これを運行費に充てるため、利用は無料。午前10時~午後2時に随時出発し、市ツル博物館の職員らが運転手を務め、約30~40分の運行中、ガイドもしてもらえる。

 一帯は鳥インフルエンザまん延防止のため、徒歩で巡ることは禁止。マイカーで巡ることが多いが、勝手に駐車する人がいたり、排ガスが発生したりする問題があった。ツル観察センターには従来も2人乗り電気自動車が2台あり、無料で貸し出していたが、ガイドはなかったという。

 「つるのしん号」が導入された1日は雨だったが、7、8回の利用があったといい、来場者らはツルたちに接近して、その様子をしっかり観察していたという。

 市ツル博物館の堀昌伸館長は「二酸化炭素も騒音も出さず、ゆったり観察が楽しめる。ぜひ利用してほしい」と呼び掛けている。

 ツル観察センターがオープンしている3月9日までツル観察用に利用され、その後は秋まで、市内の出水麓(ふもと)武家屋敷群巡りに活用されるという。【梅山崇】

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