東京都立川市の「オーベルジュときと」で5、6の両日繰り広げられたALSOK杯第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の第3局で挑戦者の永瀬拓矢九段(32)を降し、開幕戦から3連勝で4連覇に王手をかけた藤井聡太王将(22)。終局直後の記者とのやりとりは次の通り。
――角換わりの戦いになったが。
藤井王将 角換わりになったら右玉で、本譜のような形をやってみようかなとは考えていました。
――1日目の進行については。
◆馬を作る展開になったんですけど、8五の桂がかなり負担になっている駒で、6六馬(66手目)に7七歩と受けられたところでどういうふうにまとめればいいかが分からなかったので、本譜は少し自信がないかなと思いながら指していました。
――2日目。92手目に飛車を金桂両取りの2八ではなく、2九に打たれたが。
◆2八飛だと、1七角、4八飛成、2六角打の時に飛車を取られてしまいそうな形で、それはちょっとまずいかなと思ったので。2九飛で手を渡して、少し自信がないんですけれど、どれくらい頑張れるかと思っていました。
――98手目、3六歩ではなく5五歩なら千日手もあると控室の検討では話していた。
◆そうですね。3六桂と攻められてもちょっとどう受ければいいか分からなかったので、本譜は6六桂に期待したんですけど、進んでみるとちょっと薄い形だったかなという気がします。
――113手目、永瀬九段の4四桂に同玉は危険だったのでは。
◆危険は危険ですけど、具体的にどう寄せられるか。4六馬、4八歩成、4五飛、3四玉の時に(こちらが)寄っていてもおかしくないと思ったんですけど、具体的には分かっていなかったです。
――大丈夫だという手応えがあったか。
◆分からなかったですけど、簡単に寄ってしまうという感じでもないかなと思っていました。
――形勢好転を自覚したのは。
◆こちらの玉は中段で危ない形が続いているので、最後まで分からなかったですけど、3七歩成(126手目)となった時に、こちらの玉に寄せがなければと思っていました。
――3勝0敗で、15~16日に大阪府高槻市の山水館で第4局を迎える。
◆次の対局もスコアのことは意識せずに臨みたいと思います。
【新土居仁昌、丸山進】