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ラーメンで「祝杯」 山形市、3連覇に沸く 家計調査の外食支出

毎日新聞 2025年2月7日 15時59分

 総務省が7日に発表した2024年の家計調査で、ラーメン(中華そば)の1世帯(2人以上)当たり年間支出額(外食)は山形市が2万2389円となり、都道府県庁所在地と政令指定都市の中で3年連続、全国1位になった。23年に同市が記録した最高額(1万7593円)も更新した。

 午前8時半、山形市役所では家計調査の公表時刻に合わせ、地元のラーメン店主や佐藤孝弘市長、職員らが発表を待った。山形市の1位が確定すると会場内では拍手がおこり、記念のくす玉を割って3連覇を祝った。

 「率直にうれしかった。店と市が一丸となった結果。これからも日々お客様を大事にしながら4連覇を目指したい。市内外、また国外に向けて山形市のラーメンを素晴らしさを発信していければ」

 地元の有名店「麺辰」店主で、市とともに活動する「ラーメンの聖地、山形市」を創る協議会の鈴木敏彦会長(48)はこう語り、さっそく仲間の店主らとともにラーメンで「祝杯」を上げた。

 佐藤市長は「これまで地道に続けていたことが花開いた。更に勢いをつけて、ブランドとして山形市のラーメンを確固たるものにしていきたい。また、新潟市、仙台市と楽しくお互い切磋琢磨(せっさたくま)しながら盛り上げていければ」と語った。

 寒気の影響で雪が激しく降る中、山形市中心部にある「らー麺山之助本店」は昼休みを迎え、多くの客で熱気に満ちていた。

 家族で週1回はラーメン屋に行くという同市の公務員、東海枝(しょうじ)渉さん(35)は「小さい頃から家族で食べに行っていた。全国1位と聞いて、改めて山形では外食でラーメンを食べる文化が根付いていると感じた」と話し、子供2人と麺をすすった。

 山形市商工観光部ブランド戦略課によると、市内には昔ながらの中華そばから、そばに似た和風のだしに鶏肉などの具が特徴の「鳥中華」などさまざまなラーメン店が多数ある。

 また消費の落ち込みが予想される夏場を中心に、名物「冷やしラーメン」の存在も消費の下支えになっているという。年間支出額は山形市が2013~20年の8年間トップだったが、21年支出額は新潟市に抜かれて2位に転落。市と地元ラーメン店主らが連携してイベントやPRを行い、22年分は再び首位を奪還した。

 23年の2月8日には「ラーメンの聖地、山形市」を宣言し、この日を「山形市ラーメンの日」に制定。「ラーメン県そば王国」を掲げる山形県とも連携してイベントを開催するなど、機運醸成を図っている。

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