虐待を疑われ、生後1カ月だった長女が児童相談所に一時保護され、引き離された経験のある大阪府内の母親(30代)らは7日、府庁を訪れ、児相の面会制限など運用に関して当事者の意見を積極的に聞き入れるよう吉村洋文知事宛ての文書で申し入れた。
母親は2018年、自宅で長女を抱っこしていた際に床に落とし、虐待が疑われた。長女は府の子ども家庭センター(児相)に一時保護され、面会制限を受けた。母親は不当な一時保護で引き離されたとして、損害賠償を求め、府が敗訴した。
府はその後、面会に関するマニュアルを策定した。だが、問題の解決には当事者らの声を聞き入れ、反映する必要があるとして申し入れた。この日、記者会見した母親は「娘にすごく会いたかったし、もっと抱っこもしてあげたかった。かけがえのない時間が失われた。府と協力し、子どもたちの環境改善につなげていきたい」と訴えた。【村上正】