関西将棋会館(日本将棋連盟)が移転した大阪府高槻市は、「将棋のまち」をPRするため、トップ棋士をデザインした「ラッピングバス」を運行している。15日から「ALSOK杯第74期王将戦七番勝負」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)第4局が同市内で開催される、タイトル戦の盛り上げにも一役買っている。
藤井聡太王将(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑む王将戦は、藤井王将が3連勝で4連覇に王手をかけている。そのまま連勝で藤井王将のV4達成なるか、永瀬九段がシリーズ初白星となるか、注目の集まる一局となっている。15、16日、同市の温泉旅館「山水館」で開催される。
ラッピングバスは5種類12台が運行中。特別版ともいえる「高槻将棋ライナー」には、藤井王将をはじめ、谷川浩司十七世名人、羽生善治九段、豊島将之九段、福間香奈女流五冠といったトップ棋士をプリント。車内にもポスターや直筆サインなどが飾られる「将棋一色」のバスだ。
そのほか、藤井王将とA級順位戦9人の棋士が並ぶものや、同連盟の関西本部に所属する棋士たちを集めたものなど、盛りだくさん。運行路線や時間は、その日ごとに異なるといい、どのラッピングバスを目撃できるかは運次第だ。
江戸時代に整備された高槻城内の三の丸跡では、将棋駒が多数発掘されており、高槻藩の藩主たちが将棋をたしなんでいたことが分かっている。高槻市は2018年、全国の自治体としては初めて連盟と包括連携協定を締結。振興を目指し「将棋のまち」として発信している。昨年12月には、関西将棋会館が大阪・福島から高槻に移転している。【デジタル編成グループ】