奇祭として知られる「国府宮(こうのみや)はだか祭」が10日、愛知県稲沢市の国府宮神社で行われた。寒空の下、7980人の下帯姿の裸男たちが、神男(しんおとこ)を目がけて激しくもみ合った。
約1250年前から続く伝統行事で、毎年旧暦の1月13日に開催。神男は人々の厄を一身に背負うとされ、触れると厄を落とすことができるという。
午後4時半ごろ、境内や参道に待ち構える裸男の集団に、今年の神男の加藤稜大(りょうた)さん(26)=同市在住=が飛び込むと祭りは最高潮に。集団は「ワッショイ、ワッショイ」のかけ声とともに神男に触れようとぶつかり合い、周囲から手おけの水が浴びせられる度に湯気が立ち上った。神男は集団をかき分け、約1時間後に境内の儺追殿(なおいでん)に入った。
もみ合いに先立つササ奉納の神事には、着衣姿の女性団体が昨年に続き参加した。【山崎一輝】