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諏訪湖、7季連続「明けの海」 全面結氷一転、「御神渡り」現れず

毎日新聞 2025年2月12日 12時30分

 凍った諏訪湖(長野県)の氷が割れて氷脈状にせり上がる自然現象「御神渡(おみわた)り」の観察を続けている八剱(やつるぎ)神社(諏訪市)の宮坂清宮司(74)は11日朝の観察後、前日のほぼ全面結氷から一転、解氷が一気に進み広範囲に明(あ)いた湖面に「残念だが、御渡(みわた)りが現れなかったと決定したい」と、今季の諏訪湖を御神渡りが現れない「明けの海」と宣言した。【宮坂一則】

 2018年2月の拝観式を最後に出現しておらず明けの海は7季連続。連続記録最長は8季の戦国時代1507年から14年。6季で並んでいた1992~97年を抜いて単独2位となった。2001年以降では25年間で18回目、1443(嘉吉3)年に始まり今日まで続く御神渡りの連続した583年の観察記録では81回目。

 今季は1月5日の小寒から氏子総代とともに早朝の湖面観察を同市豊田の舟渡川河口付近の観察定点で開始。今冬一番の寒気で9、10の2日間、ほぼ全面結氷し御神渡り出現への望みをつないでいた。岡崎広幸大総代(63)は「本当に残念だ」と肩を落とした。

 宮坂宮司は同日、今季の湖の様子を記し神前にささげる注進状に「本年の諏訪湖(すわのうみ)は如月九日にほぼ全面結氷するも寒気続かず同十一日に氷は消えて明けの海となり御渡無御座候也(みわたりござなくそうろうなり)」としたためた。15日正午から同神社で「注進奉告祭」、午後2時から諏訪大社上社での注進式に参加して今季の御神渡り関連神事、行事を終える。

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