2020年3月に閉店した新潟市古町地区の旧新潟三越跡地の再開発計画について、地権者でつくる「西堀通5番町地区市街地再開発準備組合」が12日、新潟市役所を訪問し、中原八一市長に進捗(しんちょく)状況を報告した。準備組合は、資材高騰などでビルの施工業者が見つかっていないと報告。解体が遅れており、26年度の着工は難しいと説明した。
不動産大手の東京建物(東京)や地元建設会社の広瀬(新潟市西区)などでつくる準備組合は23年9月、再開発計画を発表した。旧新潟三越を解体した上で、商業施設やオフィス、住宅が入る地上37階建ての複合型タワーを建設。29年の完成を目指す計画だった。高さ約150メートルは、県内で最も高いビルになる見通しだ。
建物の解体作業は24年度中が始まる予定だった。しかし準備組合によると、資材高騰や人手不足などを理由にビルの施工業者が見つかっていない。このため準備組合は、26年度としていた着工時期を限定せず、あらためて建設会社に聞き取りを行うと市側に説明した。現時点で、事業規模の変更は想定していない。
旧新潟三越跡地の再開発事業は中心街のにぎわい創出に向けて、期待が大きい。東京建物の担当者は「公表したスケジュールに沿って進めることができず、誠に申し訳ない」と陳謝。中原市長は「まちづくりの重要な事業。スケジュールの遅れは非常に残念だが、致し方ない面もある。着実に事業が進むことを期待したい」と述べた。【神崎修一】