愛知県田原市の畑で今月初め、収穫直前のキャベツ約800個(約20万円相当)が盗まれる被害が起きていたことが、県警田原署などへの取材で判明した。天候不順による生育の遅れなどの影響でキャベツの価格高騰が続いており、同署は販売目的の窃盗事件とみて調べている。
同署などによると、5日午前、同市堀切町の畑で、キャベツの収穫に訪れた農家が、収穫直前だった大量のキャベツがなくなっていることに気付き、同署に被害を届け出たという。
農林水産省によると、昨年の猛暑や天候不順の影響でキャベツの出荷量が減少し、昨秋から価格が高騰。農水省が発表する野菜の食品価格動向調査によると、キャベツの全国平均小売価格は今年1月に1キロ当たり500円を突破。前年同期比の約3倍にあたり、1月27~29日の価格は450円とやや下がったものの、平年よりも高い状態が続いている。
田原市内のキャベツ農家の50代男性は「関東での盗難被害をニュースで見て気になっていた。畑も広く警戒のしようがないが、被害に遭わないようできるだけ巡回したい」と話した。また、別の農家の70代男性は「800個なんて簡単に盗める量ではない。販売目的のプロの手口だと思う」と憤った。
同署は複数犯の可能性が高いとみており、「こまめに畑を見守って、不審な人や車を見たら通報してほしい」と呼びかけている。【塚本紘平】