三重県伊賀市は、4月に開校する県内初の夜間中学、県立みえ四葉ケ咲(よつばがさき)中学校(津市)に伊賀市内から通う生活に困窮する世帯の現役中学生を対象に交通費を補助する制度を設ける方針を固めた。2025年度の当初予算案に関連予算を計上する見通し。
みえ四葉ケ咲中は不登校や外国籍などさまざまな理由から十分に義務教育を受けられなかった人たちが通えるだけでなく、不登校支援のコースとして「学びの多様化学校」も設置し、東海地方の県立校では初めて現役中学生も受け入れる。
市によると、世帯所得額が生活保護の基準額の1・3倍を下回った場合を対象とする方向で調整しているという。担当者は「実費分の負担を目指してはいる」とした上で、詳細を検討している。稲森稔尚市長は毎日新聞の取材に「本来は県が県内のどこにいても夜間中学の多様な学びを保障すべきだと考えるが、市としてさまざまな背景を抱える人たちが一歩踏み出せるようにしっかり応援していきたい」と話した。
県教委は北勢地域に分校、もしくは分教室を設けることなども検討しているという。各市町教委に金銭的な支援を行うよう求めてきたこともあり、今後、生徒が県内の各地域から通学する際の利便性を向上させるため、議論も進むとみられる。【原諒馬】