国の指針で原発からおおむね5キロ圏内の住民は、重大事故が起きた際に直ちに避難するとされています。川内原発1号機の運転延長期間入りを受けて5キロ圏に住む男性は「原子力防災について住民自身も真剣に考えていかなくてはいけない」と語ります。
(小田孝一さん)「これが崩れて道路をふさいだ場合、どこに避難すればいいのか懸念はある。本当に原発はこんなに近くに住んでいるのに、日常生活をしていると全くひとごと」
川内原発の南2キロの薩摩川内市寄田地区に住む小田孝一さん(69)です。妻と92歳になる義理の母親と3人で暮らしています。
4日の川内原発1号機の運転延長期間入りに対して…
(小田孝一さん)「40年稼働してきた原発が、今後また20年間動くわけだが、本当に安全が担保されるのか、非常に不安はある」
寄田地区の避難ルート県道43号です。目の前の山は土砂災害警戒区域で、ひとたび能登半島地震のように土砂崩れが起きたら避難はきわめて困難です。
(小田孝一さん)「道路が寸断されたら身動き取れないというのが、一番大きな懸念。絶対(安全)ということはない」
小田さんは、九電や市、県だけでなく住民一人ひとりが今回の運転延長入りをきっかけに自分自身のこととして、原子力防災を改めて考えることが重要と言葉をかみしめます。
(小田孝一さん)「(九電や自治体も)恐らく大丈夫だろうという形でしか対応していない、現在は。原子力事故や災害が起きてしまったら終わり。もっと真剣に考えていかなくてはいけない。私たちも」
運転延長の日を迎えた川内原発1号機。5キロ圏住民も防災への思いを新たにしています。