県警では今年4月以降、1か月半の間に、現職の警察官ら4人が逮捕、起訴されました。
元巡査長はウェブメディアに捜査情報を漏らした罪、元巡査部長は女子トイレで盗撮をした罪、前の生活安全部長は在職中に入手した警察情報をウェブメディアに漏らした罪で起訴されています。
このうち、知人女性にキスをするなどわいせつな行為をした罪に問われている県警元警部の男に対し、鹿児島地方裁判所は10日、懲役1年6か月・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
不同意わいせつの罪で判決を受けたのは、県警本部公安課の元警部・幸得健一郎被告(51)です。
判決によりますと、幸得被告は今年3月、鹿児島市内に停めてあった車の中で、40代の知人女性の両肩をつかんでキスし胸を触るなど、わいせつな行為をしたものです。
幸得被告は停職6か月の処分を受け、すでに依願退職しています。
10日の判決で、鹿児島地裁の松野豊裁判官は「女性が抵抗する中、犯行を繰り返し、刑事責任は軽視できない」とし、懲役1年6か月の求刑に対し、懲役1年6か月・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
幸得被告の弁護人によりますと、控訴はしない方針です。
逮捕、起訴された4人を巡っては、96の事件・304人分の捜査情報を漏らした地方公務員法違反の罪で起訴された元巡査長・藤井光樹被告の初公判が11日、鹿児島地裁で開かれます。
藤井被告はこれまでの警察の取り調べに「捜査情報を漏らす見返りに捜査にかかわる別の情報を得ようとした。警察組織内での自分の評価を高めようと思った」と話していたということですが、11日、法廷で何を語るのか注目されます。
一方、県警によるメディアへの強制捜査に対する、県警と野川本部長への刑事告発をめぐり、新たな動きです。
県警は4月、藤井被告が情報を送ったとされる福岡のウェブメディアに、家宅捜索に入り取材データを押収しました。
今回のメディアへの強制捜査は違法の疑いがあるとして、東京の出版社の代表を務める男性は先月、県警と野川本部長を告発していましたが、地検は今月5日に不起訴とし、男性はこれを不服として10日、検察審査会に審査を申し立てしました。
なお、ウェブメディアの男性の弁護人は、男性が藤井被告から情報提供を受けたかについて、明らかにしていません。