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鹿児島県警不祥事 県議会で野川本部長らが改めて説明 署員「隠ぺいではないか」発言も

MBC南日本放送 2024年7月19日 19時25分

相次ぐ県警の不祥事をめぐり、県議会で百条委員会の設置が議論される中での動きです。19日開かれた県議会の常任委員会で、県警の野川明輝本部長は一連の不祥事について「県民に多大な不安を与えた」と改めて陳謝しました。

(県警 野川明輝本部長)「(前生活安全部長が)私が隠ぺいを図ったかのような発言を行ったことは残念。県民に多大な不安を与えたことについて県警察の責任者として深くお詫び申し上げる」

19日の総務警察委員会は、県警の不祥事をめぐり、強い調査権限が与えられる百条委員会の設置を検討するために開かれました。

県警側は野川本部長のほか幹部が出席しました。一方の県議側は委員会メンバー以外も出席しました。

県警をめぐっては、今年4月以降、警察関係者4人が情報漏えい、盗撮などで逮捕、起訴され、このうち1人にはすでに有罪判決が出ています。

さらに、今月も南さつま警察署の男性巡査長が酒気帯び運転をしたとして懲戒処分を受けるなど不祥事が相次いでいます。

これらの不祥事案のうち、内部情報を漏えいしたとして逮捕、起訴された前の生活安全部長・本田尚志被告は、「野川本部長が不祥事を隠蔽しようとする姿に愕然とし、失望した」と主張。

一方の野川本部長は「隠蔽の意図は一切ない」と否定しています。

19日の委員会では、枕崎署員による盗撮事件で本部長の指示が誤って伝わったため2日間、捜査が止まったことについて、枕崎署の署員から「隠ぺいではないか」との声が上がったことを明らかにしました。

(県警 西畑知明警務部長)「署員から『捜査を中止して大丈夫なのか』『隠ぺいではないか』と声があがり、改めて署長が首席監察官に確認したところ、『署で引き続き捜査を尽くすように』という指示であることを伝達して、即日捜査が再開されることになった」

また、議員から、捜査の経緯や手法について追及する質問があがりました。

(鶴薗真佐彦県議)「ウェブメディアに捜索したときに見つけたデータに、盗撮事案があり、あわてて捜査をしたのではないか」

(県警 野川明輝本部長)「差し押さえたデータに関連する資料があったから隠しきれなかった、あわてて捜査したという事実はない」

(鶴薗真佐彦県議)「枕崎署ではずっと捜査が続いていた、(捜査の)積み上げがあった?」

(県警 野川明輝本部長)「その通り」

また、前の生活安全部長が情報漏えいではなく、公益通報を主張していることについては。

(県警 野川明輝本部長)「公表を望んでいないストーカー事件の被害者の個人名や年齢が記載されていて、県警としては文書の内容からみて、公益通報にはあたらないと考えている」

改めて、公益通報ではないと否定しました。

また、県議会の一部の会派が、百条委員会の設置を要求していますが、結論はでていません。

県警が、これまでの主張を改めて強調するに留まっている19日の委員会。県議会が百条委員会の設置をどう判断するのか、今後の対応が注目されます。

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