今年度の最低賃金について、国の審議会は今月24日、全国平均の時給を50円引き上げ、1054円とする目安額を取りまとめました。
現在の最低賃金が897円の鹿児島も50円アップとなり、実際に反映されれば947円となります。県内の受け止めを取材しました。
「最低賃金」は企業が労働者に最低限支払わなければいけない賃金で、今後、目安の額をもとに各地の地方審議会が実際の改定額を決め、10月以降、引き上げ額が決まります。
（記者）「50円の引き上げ幅が示された目安額。街の人はどう受け止めているのでしょうか？」
（パート保育士・40代）「50円（アップ）だとだいぶ違う。自分のためにいいランチを食べたり、子どもと一緒にご飯食べたりできる」
（飲食店アルバイト・専門学校生19歳）
Q.時給がアップしたら何に使う？「50円アップしたとしたら、1か月で給料が変わってくるから洋服に使う。
Q.洋服代は月いくら？「4～5万円」
鹿児島の最低賃金は現在、897円で50円分が加算されたら、目安は947円となりますが、福岡を除く九州各県と並び、全国で最も低い水準のCランクです。
（福岡市から帰省・美容師21歳）
Q.鹿児島の最低賃金は1000円いっていない。「1000円いっていないの？」
Q.鹿児島の最低賃金は897円。「1000円ないときつい」
Q.鹿児島に若い人が帰ってくることと最低賃金は関係ある？「ある」
姶良市と鹿児島市に5つの店舗を構える青果店です。50人いるパート従業員の半数以上が時給1000円未満で働いているといいます。
（姶良市・青果店パート38歳）「もう少し上がればいいのになと思った。時給が高いところがうれしいが、家のことを考えると働く環境がいい」
パート従業員の中には、子育ての時間を確保するため、働く時間を調整しているという人も。
（姶良市・青果店パート38歳）「子どもたちとの時間がつくれる今の働き方がベスト。（Q.同じ時間で時給が上がるのはいいこと？）それはいいこと」
鹿児島市の天文館のラーメン店です。最低賃金の引き上げにあわせて毎年、従業員の時給を上げているといいます。食材の仕入れ値が去年に比べ最大3割上がる中での時給アップは、経営への影響も避けられません。ただ、人手を確保するためにはやむを得ないといいます。
（鹿児島市・ラーメン店オーナー）「経費が上がっているところで人件費が上がるのは経営側としては大変。天文館ではある程度高めに設定している。人手が足りないと、営業ができない」
時給1050円から1200円で雇用している20人の時給を50円引き上げると、毎月7万円から8万円ほど人件費が上がるといいます。
Q.人材獲得競争も激しい？
（鹿児島市・ラーメン店オーナー）「激しい。1000円以上でないと見向きもしてくれない」
物価高が続く中で方針が示された50円アップの目安額。働く人からは歓迎の声が上がる一方、雇用者側は、人手確保とのバランスを見極めながら、対応を迫られることになりそうです。