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ふるさとの涼を求めて トンネルの先の異世界「薩摩金山蔵」いちき串木野市

MBC南日本放送 2024年8月14日 19時12分

ニューズナウでは「ふるさとの涼を求めて」と題して、鹿児島県内の涼やかな風景や食べ物を紹介しています。2回目は、いちき串木野市の薩摩金山蔵。トロッコで巡る旅です。

東シナ海を臨むいちき串木野市。涼を求めて訪ねたのは、薩摩金山蔵です。

(記者)「日差しも強く、セミも元気に鳴いています。涼しいところへと、このトロッコに連れて行ってもらいます」

700メートルのトロッコの旅。まるで冒険をしているかのようです。

(記者)「外の世界と全然違う世界が広がっています。なにより涼しい」

岩肌をつたう地下水。坑道は、水の音が響く天然のクーラーです。

蔵人案内人の田渕明さん、72歳。この道14年のベテランです。

(記者)「初めて来たけど本当に涼しいですね」
(田渕さん)「涼しいでしょ?19度。一年を通して夏も冬も19度」

坑道内の温度は19度。この日のいちき串木野市の最高気温は33.4度で、たった10分ほどで猛暑を忘れさせてくれます。

かつて薩摩藩を支えた串木野金山。これまでの金の産出量は全国4位です。江戸時代から350年あまりかけて掘られた坑道の総延長は、120キロにも及びます。

(田渕さん)「白い筋、斜め上にずっと上がっている。この白い筋が金鉱石」

30年前に操業を停止しましたが、金鉱石を運ぶための巻き揚げ機やトロッコなど、当時使われていた現物が残されています。

坑道では、日光が当たらないことと温度が一定という環境を生かし、焼酎の仕込み・貯蔵・熟成が行なわれています。仕込みが始まる来月からは、昔ながらの焼酎づくりの様子を見ることができます。

島津家17代当主・島津義弘を祀った金運アップの神社や、金山の作業員の安全を願う、水に浮かぶ黄金の観音像も。

そして、一番奥に進むと…

(記者)「大きなかめがたくさん並んでいます。このエリアが一番涼しい。風が奥まで抜けていきます」

一升瓶で600本分という巨大なかめ。200個ほどが並び、辺りには焼酎の香りが漂っています。長期熟成によりかどが取れてまろやかになると言います。香りを嗅いでみると…

(記者)「華やか」
(田渕さん)「華やかで芋臭さがないでしょう」
(記者)「つんとする感じがない」
(田渕さん)「このまま飲みたくなるでしょう」
(記者)「本当ですね(笑)」

残暑が厳しい今、田渕さん一押しのお酒の楽しみ方がこちら。清酒を冷凍庫で凍らせたものです。

(記者)「ひんやり最高。シャーベットのシャリシャリ感もいいし、溶けてもキンキンに冷えているので二度おいしいです」

(田渕さん)「家族連れで子どもたちが楽しんでくれる。まだ飲めないけど、子どもたちはトロッコに乗って来られる涼しい場所ということで。ぜひ遊びに来て下さい」

鹿児島の歴史も学べる薩摩金山蔵。トンネルの先には涼しい異世界が待っています。

【焼酎蔵見学ツアー】
・土日祝日のみで1日2回
・(試飲なしの場合)大人800円、子ども400円(2歳以下無料)

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