地震から1週間が経過し、これまでにけがやがけ崩れなど各地で被害が確認されました。
(キャスター)
井村准教授は現地も調査されましたが今回の被害はどのようにみていますか。
(鹿児島大学 井村隆介准教授)
私自身、これほど大きな地震を体験したことはなかったが、1961年の記録で同じようなマグニチュード7.0の地震でがけ崩れが起こり、がけ崩れによって死者が出ていることを知っていた。
今回(日向灘)の地震では幸いにも大きな人的被害はなかったが、そういうことが起こってもおかしくはなかった
(キャスター)
今回、南海トラフの臨時情報が発表されたのは巨大地震が想定される震源域で「大規模な地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっている」と判断したためでした。
今回、地震が発生した日向灘、そして南海トラフ沿いでは過去にも大きな地震が繰り返されていますよね。
(鹿児島大学 井村隆介准教授)
南海トラフ地震というのは、東海地域から四国九州沖まで大きな断層があって、それが一気に壊れたときに起こる巨大地震のこと。
200年から数十年ぐらい、100年弱ぐらいの間隔で起こっていることが過去にわかっていて、最後の地震から80年経っている。そのうちの1707年の地震が日向灘まで一緒に壊れたのではないかということで、今回、この震源域で地震が起こったことで警戒された。
この地域には、過去にも大きな地震が起こっているが、実際には日向灘で起こってから、南海・東海側で地震が起こったということはあまりなく、1854年の場合には安政東海地震が起こって32時間後に安政南海地震が起こり、その2日後に日向灘で地震が起こったことがわかっていて、昭和南海地震・昭和東海地震というのは、東海側の地震が起こった2年後に南海側で地震が起こった。
本来は1週間ではなく2年とか、長い時間で連動する可能性があることを考えておかなければいけない。
(キャスター)
南海トラフ地震では地震や津波による死者は全国で32万人、県内でも2000人の死者が想定されています。
巨大地震に限らず県内での地震へのリスクはあらためてどのようなものがあるのでしょうか。
(鹿児島大学 井村隆介准教授)
国全体としては、南海トラフ地震が問題だが、県や鹿児島市にとっては南海トラフ地震が怖いだけではない。
日向灘で起こる地震、あるいは内陸直下で起こる地震、奄美の近海で起こる地震、いろんなものに備えておかなければいけない地域だと思う。