Infoseek 楽天

100歳男性が800m挑戦 完走すれば世界記録も 秘訣はアロエ焼酎と焼きニンニク

MBC南日本放送 2024年8月16日 19時40分

農作業中の男性。先月で100歳を迎えましたが、実は、あるスポーツの世界記録保持者なんです。18日、新たな挑戦を控えた男性のいまを取材しました。

強い日差しが照りつける中、トラクターを自在に操り、自宅裏の畑を耕すのは、鹿児島市の宮内義光さん。御年100歳です。

(宮内義光さん)「いまからここにジャガイモを植えるつもり。これがサツマイモ」「農業は忙しいですよ。ひまはない」

農業を営んできた宮内さんには、実は、もう一つの顔があります。

軽快なリズムで自宅の周りを走る宮内さんは、現役のマスターズ陸上の選手で、世界記録保持者です。

(宮内義光さん)「悪いことができない。どこ行っても知らん人はおらんもん。新聞に出ると、みんな知っている」

走り始めたのは鹿児島市役所の陸上部に入った24歳のとき。当時はまだ、ランニングシューズはなく足袋でした。

結婚後、いったん走るのをやめましたが、63歳で再び走り始め、全国各地のロードレースに出場。75歳のとき、75歳~79歳のクラスの1500メートルで初めて世界記録を出しました。

現在も12の日本記録のタイトルを、95歳~99歳の1500メートルで世界記録のタイトルを持っています。

先月20日、100歳の誕生日を迎えた宮内さんを祝おうと、鹿児島マスターズ陸上の仲間が祝宴会場に集まりました。

(仲間)
「背中もまっすぐでしょ。こんな100歳はいない」
「いまでもラストスパートをかける。挑戦する意欲があるから」

(仲間)「まだ120歳まで生きていい」
(宮内義光さん)「あと10年」「病気をしない。病気に勝つ体。それが大事。頑張って」

(本髙和弘さん・67)「憧れでもあるし、目標でもある。生きざまそのものが影響をもらった。鉄人だなあと」

(内村清子さん・77)「私たちにずっと刺激を与えてくれて、あの人のようになりたいなというのはみんなある。100歳を迎えてすごくうれしい」

仲間の期待は、励みにもなっています。

(宮内義光さん)「あなたがいるから、私も元気になると言ってくれる。僕も頑張らないとと思う」「世界記録を。それだけ」

宮内さんは、今月18日に宮崎県で開かれる九州マスターズ陸上大会で、新たな世界記録を目指しています。

出場するのは、400メートル、800メートル、1500メートルの3種目で、100歳から104歳までのクラスでの世界記録が目標。800メートルはこれまでに完走した選手がいないため、完走すれば世界記録になる可能性があります。

ただ心配なのは、65歳のときに転倒して以来、状態が悪化してきた右ひざです。2年前の大会で出場した1500メートルでは、途中棄権せざるを得ませんでした。しかし、今年6月の県大会では、800メートルを完走しました。

(宮内義光さん)「これ(右ひざ)がなければ、バンバン走るんだけど。大会までにこういう練習をしてなんとか頑張るから」「僕はいつも思うの。走るために生まれてきた」

挑戦をいつも見守ってくれていた妻トヨ子さんが8年前に亡くなってからは、長女のひろ子さんが寄り添います。

(長女 ひろ子さん・72)「負けず嫌いだから、足が痛くても大会になったら必ず走る。すごいなと思う。私は無理です」

夕食では健康維持のため、アロエ入りの焼酎と、焼いたにんにくを欠かしません。

(宮内義光さん)「70代から80代、90代と全部(世界記録を)取ってきた。また狙うそれ(世界記録)を。100歳で」

100歳になってなお、宮内さんは挑戦を続けます。

この記事の関連ニュース