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集落に低空飛行で迫るオスプレイ…防衛強化が進む奄美大島の“光と影” 鹿児島

MBC南日本放送 2024年8月21日 18時35分

鹿児島でも急速に進む防衛強化。中国軍が海洋進出を活発化させる中、鹿児島の離島は、沖縄とともに“防衛の最前線”と呼ばれています。防衛強化が地域にもたらした“光と影”を、奄美大島で取材しました。

奄美市で撮影されたオスプレイ。機体がはっきりと見えるほどの低い高度で集落へ向かってきます。この8日後、アメリカ軍のオスプレイは屋久島沖で墜落事故を起こしました。

(豊島勇蔵さん)「オスプレイは音がすごい。バリバリという低音」

奄美市で低空飛行を撮影した豊島勇蔵さん。去年11月の屋久島の墜落事故をきっかけに、飛来した数を記録し始めました。

(豊島勇蔵さん)「(Q.夜間も飛んでいますね?)何回か飛んでいます」「事実を残す必要がある」

オスプレイは墜落事故のあと全世界で飛行を停止し、今年3月に再開。豊島さんの集落ではその後、月6~7回、飛来を確認しています。

(豊島勇蔵さん)「防衛は重要かもしれないが、事故が発生しないよう対策をとってほしい」

中国軍の海洋進出を背景に、“防衛の最前線”といわれる南西諸島。その一角をなす奄美大島で防衛強化が進んでいます。

5年前に作られた陸上自衛隊の駐屯地と分屯地は、今や日米訓練の拠点となり、弾薬庫の増設、そして、物資や部隊輸送のための港湾施設をつくる検討も始まっています。

人口およそ5万8000人の島に、600人の隊員が家族と滞在するようになり、街では変化が…。

(記者)「飲食店からは経済効果を実感しているという声も聞かれます」

(焼き鳥店)「人口が増えるのは絶対プラス」
(焼き肉店)「家族で来る人もいて、大切な存在」

隊員の子どもたちが通う瀬戸内町の小中学校です。児童・生徒の数は徐々に増え、現在は84人ですが、2年後には100人まで増える見込みです。

(瀬戸内町・阿木名小中学校 阿部康夫校長)「(隊員が)家族で来てくれると、学校は助かる。各学年が維持できる」

先月、木原防衛大臣が就任後はじめて奄美駐屯地を視察。

(木原稔防衛大臣)「防衛力の強化は我が国への武力攻撃の可能性を低下させる抑止力になる」

しかし、有事のリスクや住民避難について言及しませんでした。

(奄美市民)「説明がありませんでしたね。(防衛大臣が)来たというのは聞いたが」

(奄美市民)「僕らに分かる形で情報発信してほしい」

取材中にも自衛隊機か米軍機とみられる騒音が…

(豊島勇蔵さん)「心配な状況を(大臣に)見てほしい。住民が納得できるようにしてほしい」

安全保障のうねりの中で、住民の安全は置き去りになったままです。

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