昭和初期に建てられ老朽化が進んでいた鹿児島市山下町にある県教育会館について、管理する財団が解体を前提として売却する方針であることが分かりました。
県教育会館は、1931年に建てられた鉄筋コンクリート造りの3階建てです。戦前の建築様式を今に伝え、太平洋戦争の空襲でも焼け残った貴重な建物です。
管理する県教育会館維持財団はこれまで、建物を保存し維持活用してくれる団体への売却を希望していましたが、購入希望者はいなかったということです。
財団は臨時の委員会を開いて「建物の解体を前提にして、跡地利用を目的とする購入者にも売却する」と方針転換を決めました。建物と敷地、駐車場を合わせた最低売却価額は7億円で、23日まで改めて購入者を募集しています。すでに複数の団体から申し込みがあるということです。
財団の原園正敏常務理事は、「建物を残せるように努力したが残念。隣接する中央公園の機能を損なわない、にぎわいの場になればいい」とコメントしています。
財団は、来月末の契約締結を目指すとしています。