台風10号について、大山気象予報士の解説です。
非常に強い台風10号はこの時間、十島村にかなり接近しています。中心気圧は935ヘクトパスカル、最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで北にゆっくりと進んでいます。
風速25メートル以上の暴風域の中に十島村と種子島・屋久島地方の広い範囲が入っています。
また、風速15メートル以上の強風域の中に、沖永良部島と与論島を除く鹿児島県内の広い範囲が入っています。薩摩、大隅地方も28日夜には暴風域の中に入ってきそうです。
この後の進路です。
非常に強い勢力を維持して北上し、29日にかけて薩摩、大隅地方に接近する予想です。その後、九州から本州付近を北上する予想となっています。
台風による特別警報が発表されました。
濃い紫は暴風と波浪。鹿児島市、鹿屋市などです。
薄い紫は暴風。伊佐市などです。
また、種子島・屋久島地方の全域に暴風と波浪の特別警報が発表されています。
最大級の警戒をして身の安全を確保してください。
また、今後さらに高潮の特別警報が発表される可能性があります。そして、記録的な大雨となり、大雨特別警報が発表される可能性があります。
県内に台風による特別警報が発表されるのは、2022年の台風14号以来のことです。
このときは、屋久島付近を中心気圧925ヘクトパスカルで通過。そして鹿児島市に上陸した台風です。上陸した時の中心気圧は940ヘクトパスカルで、県内は大荒れの天気となりました。
この後の見通しです。
予想される最大瞬間風速は29日にかけて、60メートルから70メートル。住宅で倒壊するものがあるくらいの猛烈な風が吹くおそれがあります。
ここ1時間の雨雲の動きです。
台風に伴う発達した雨雲が県内にかかっています。
特に屋久島には発達した雨雲がかかり、記録的短時間大雨情報が発表されました。
午後3時までの1時間に、屋久島町北部付近でおよそ120ミリの猛烈な雨となりました。
この後の雨と風の予想です。台風の動きが遅いため、暴風が長く続きそうです。
また、台風に伴う発達した雨雲がかかり、非常に激しい雨の降るおそれがあります。
29日にかけて県内は線状降水帯が発生して、大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがありますので、厳重に警戒をしてください。
では予想される雨の量です。
24時間に予想される雨の量は多いところで、29日昼までに薩摩、大隅地方で600ミリ。種子島・屋久島地方で500ミリ、30日昼までに薩摩、大隅地方で400ミリです。
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒をしてください。
停電や断水にも、念のため備えて安全な場所でお過ごし下さい。