きょう9月16日は敬老の日です。ニューズナウでは元気なお年寄りを紹介するシリーズ「きばっちょいもす」をお伝えしています。最終回は、“日本一”の記録を更新し続ける91歳のゴルファーです。
豪快なドライバー。繊細なアプローチやパットで、次々とカップに沈めるこちらのゴルファー。鹿児島市の赤崎俊美さんです。今年7月で91歳になりました。
(赤崎俊美さん)「(Q.ゴルフ歴は?)50年。(ゴルフ費用で)もう家が2、3軒建っているよ」
ゴルフ仲間の平均年齢は77歳。それでも、赤崎さんから見れば20歳近く年の離れた“若手”です。
(ゴルフ仲間・80歳)「こんな元気な91歳はいない。寄せとパットはプロ級。10年後は私は生きていません(笑)」
「プロ」と呼ばれるほどの赤崎さんの代名詞は、エージシュートです。
ゴルフは1ラウンド18ホールを少ない打数で回ることを競いますが、自分の年齢以下の打数で1ラウンドを回ることをエージシュートと呼びます。
年齢を重ねながらゴルフの腕前や体力を維持する必要があるため、人生で一度でも達成することが難しいとされるエージシュート。赤崎さんは去年12月、2000回目を達成しました。
(ゴルフ仲間・74歳)「2500回は間違いないですよ」
(赤崎俊美さん)「そうはいかない、明日にもガタって(倒れるかも)。僕はゴルフ場でぱたんと逝ったらいいと思ってる」
日本エイジシュートチャレンジ協会によりますと、赤崎さんの記録は「非公式だが、回数としてはおそらく日本一」ということです。
自宅には大記録までの歩みが…
赤崎さん、ノートをみせながら…「反省かな、やっぱりあそこがダメだったかなとかいう感じで書いている」
30年以上にわたってスコアやその日の反省点を記した10冊近くのノート。初めてエージシュートを達成したのは、71歳の時でした。
それから20年間記録を積み重ね、2000回を達成した去年は148回のラウンドを回り、エージシュート率は100パーセントでした。
ノートには年を重ねる体との闘いの記録も…。
(赤崎俊美さん)「私、両肩の腱板が切れている。手術するように言われたが、ゴルフが3か月から半年はできないと言われ、もう(手術は)やめて、クラブを振ることはできるので。ゴルフを優先した。今だったら、やっぱり(手術)しときゃよかったと思う」
赤崎さんは1933年、枕崎市の自転車店に生まれ、戦後、地元の水産高校を卒業して、水産会社に就職。49歳の時、妻・文子さんをがんで亡くし、定年退職後、一人暮らしをする中で第2の人生の楽しみとなったのがゴルフでした。
(赤崎俊美さん)「ショットがきれいに木を越えてスッと乗った時とかね、もう堪えられない。予想もつかない球を打った時が、ものすごくやっぱ感動しますわ」
78歳の時に自己最高のスコア66。シニアゴルフ大会には毎年参加し、最高齢プレイヤーとして活躍しました。
年間150日、コースに通う傍ら、赤崎さんのもう1つの趣味がパソコンゲームです。しかし、ここでも勝負へのこだわりが…
(赤崎俊美さん)「何回も負けて編み出して、これが一番強い」
順調だったものの徐々に雲行きが…ゲーム強制終了。
やめたんですか?
(赤崎俊美さん)「私が勝ちです。完全に優勢で」
本当ですか?
(赤崎俊美さん)「本当、本当に優勢」
負けず嫌いですね
(赤崎俊美さん)「それはある(笑)」
この日のラウンド、赤崎さんは前半スコア43でエージシュートも視野に。終盤、パー3の8番ホール…ミスショット。
(赤崎俊美さん)「だーめだ。かっこ悪いところをみせてしまった。いいところみせようと思ったらかえって悪い」
悔しがる赤崎さんですが、それでもボールはグリーンに。得意のアプローチが光り、このホールをパーで乗り切りました。
(赤崎俊美さん)「ゴルフはメンタル。技術もあるけどメンタルが大きい。(Q.ゴルフ歴50年でも難しい?)そうです、奥が深い、やっぱりゴルフは」
そして、最終ホール。赤崎さんはこの日も、スコア86で2099回目のエージシュートを達成しました。
(赤崎俊美さん)「2000回を目標にやってきたが、また欲が出てまた2100回と。一打入魂で球を一生懸命追っていくのが、良い結果になると思う。私の人生の中でゴルフはやっぱり欠かせない、生きがいです」
ゴルフを生きがいに、半世紀。これからも“日本一”の記録を更新し続けます。