今月から医薬品の自己負担の仕組みが変わっています。医薬品には最初に開発された薬=先発医薬品と後発医薬品=ジェネリックがありますが、先発品を希望する場合、10月から自己負担が増えました。私たちにどんな影響があるのか取材しました。
鹿児島市のマルノ薬局です。およそ1000種類の薬を取り扱っています。医薬品には最初に開発された先発品と後発のジェネリックがあり、同じ程度の有効性や安全性とされていますが、開発費用が抑えられることからジェネリックの方が安く購入できます。
(記者)「ジェネリックの使用割合が9割を超えて全国2位の鹿児島、こちらの薬局でも普及を勧めている」
(30代)「ジェネリックを選ぶことが多い。薬局でもすすめられて従っている」
(70代)「同じ成分や用量だったら、安い方がいい」
先発品を選ぶと負担増に
これまではどちらを選んでも保険適用は同じ割合でしたが、厚労省は今月から新たな制度を開始。先発品を希望する場合、ジェネリックとの差額のおよそ4分の1が加算されます。
例えば自己負担3割の患者が、これまで先発品には150円、ジェネリックには75円支払っていた場合、今月から先発品を買う際、ジェネリックとの差額の一部を上乗せした200円を支払うことになります。ジェネリックの金額は変わりません。
鹿児島市薬剤師会の丸野桂太郎常務理事は、制度変更の背景には、高齢化による医療費の高騰があると話します。
(鹿児島市薬剤師会 丸野桂太郎常務理事)「高齢者の負担は1~2割、残りの8~9割を保険者がまかなうのは厳しい」
国や健康保険組合などが負担する金額を減らすために、患者に割高な先発品よりもジェネリックを選んでもらうことが狙いです。
鹿児島市薬剤師会の丸野桂太郎常務理事は、今回の制度変更は、保険制度を維持するための適正化にあると考えています。
(鹿児島市薬剤師会 丸野桂太郎常務理事)「保険制度が継続的に運用していくためには何かしらの適正化が必要だと国は考えていると思う。健康を守るために適切に医療機関を受診してほしいし、ジェネリックの推進でみんなで協力できればいい」
制度の対象は1096品目で医療機関の事情で先発品になる場合や、ジェネリックがない薬は対象外です。