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著名歌手からのDMきっかけで約20万円振込 480万円の被害も 県警が特殊詐欺の発生について広報始める 鹿児島

MBC南日本放送 2024年10月16日 18時16分

県警は今月から、うそ電話詐欺などの特殊詐欺の被害を未然に防ごうと、実際にあった事案や手口を広報する取り組みを始めました。

県内では今年に入って、うそ電話詐欺や、SNS型の詐欺などが増加しています。

8月までに発生したうそ電話詐欺は、警察が把握しているだけでも去年の同じ時期より29件増えた96件で、被害額は1億6000万円あまり。SNS型の投資詐欺やロマンス詐欺は、117件発生し、10億9000万円を超える被害が出ています。

こうした現状を受け鹿児島県警は今月から、1か月に3回、増加傾向にある特殊詐欺の事案や手口の広報を始めました。16日、最初の発表があり、今月上旬に認知した詐欺被害のうち、4つの事例が紹介されました。

県警によりますと、およそ480万円をだまし取られる被害にあったのは、県内の60代の男性です。

先月下旬、携帯電話会社の職員を名乗る男から電話で、「あなたの名前で大量の迷惑メールが配信されている。あと2時間で携帯電話は利用停止になる」などと言われ、その後、別の警察官を名乗る男からアプリ「Skype」のダウンロードを指示されました。

指示通りダウンロードした男性は、警察官を名乗る男や、検察官を名乗る男と「Skype」でのビデオ通話で、「あなた名義の口座が詐欺事件に使われている」「逮捕前に保釈金を支払えば身柄拘束されない」などと言われ、指定された口座におよそ480万円を振り込みだまし取られました。

また、県内の40代女性は、警察官を名乗る男から電話やLINEのビデオ通話で、「詐欺の犯人が『あなたからキャッシュカードを40万円で買い取った』と供述している」「金融庁で調査する必要があるので、指定口座に金を移す必要がある」などと言われ、指定された口座におよそ100万円を振り込みだまし取られました。

県警は、「+1」や「+44」で始まる、国際電話番号による被害が多発しているとして、海外との電話が不要な人は、国際電話からの着信を拒否する設定を利用してほしいとしています。

着信拒否の申し込みは国際電話不取扱センター(0120ー210ー364)で受け付けていて、最寄りの警察署で相談も受け付けています。

近年増加しているSNS型詐欺の事例も公表されました。

先月中旬、県内の40代女性が出会い系アプリで「Jenny」と名乗る人物からダイレクトメッセージを受け、その後LINEで「姉がドル投資のプロ、姉から指導を受け投資をして稼いでいる。絶対に損はしない」などと投資を進められました。

被害女性はこれを信じ、投資サイトに登録。このサイトのオペレーションセンターから指定された口座に、10回にわたり合わせておよそ300万円を振り込みました。この投資サイト内では、何倍もの利益が表示されていたということです。

また、県内の70代女性は、ことし8月上旬、SNSアプリインスタグラムで、著名な日本人男性歌手を名乗る人物からダイレクトメッセージを受けたのをきっかけに、その後、LINE連絡を重ね信用。

先月中旬ごろ「仕事の契約のためインドネシアに来ている。相手企業とのマネジメント料20万円が必要で、携帯電話が壊れていて会社と連絡が取れない。助けてほしい」などと求められ、指定された口座におよそ20万円を振り込みだまし取られました。

4つの詐欺事件は警察が捜査を進めています。県警は、あったこともない相手からの現金の要求や儲け話に対しては、詐欺を疑い家族や警察に相談してほしいとしています。

次回の発表は今月23日を予定しています。

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