鹿児島県内ではことし、うそ電話詐欺やSNS型の詐欺など、いわゆる特殊詐欺の被害が急増しています。なぜ、詐欺にだまされてしまうのか、どのように対策したらいいのか、取材しました。
18日、鹿児島地検に身柄を送られた、住所不定の天野佑紀容疑者(30)。
天野容疑者は、別の容疑者の男が警察官になりすまして県内の70代女性からだましとった通帳を使い、340万円を引き出した疑いがもたれています。
県警は、SNSなどでメンバーを集めて犯罪を繰り返す、匿名・流動型犯罪グループ=トクリュウの犯行とみて捜査しています。
県警によりますと、今年のうそ電話詐欺の件数は去年の同時期より46件多い125件で、被害額は2億3000万円余り。SNS型の投資詐欺やロマンス詐欺は135件で、被害額は11億8000万円を超えています。
こうした特殊詐欺被害が増える中、街では…。
(30代 営業)「アマゾンやヤマト運輸を装って『荷物が届いているのでパスワードを変更して』というメールが毎日くる。公式のメールに見えて一瞬では分からない」
(20代 大学生)「友達が民間企業(をかたる人)から急に電話がかかってきて、『20万円払って』と言われ、『払わないと裁判をおこす』と脅された。個人情報を聞かれて本当に払わないとと思い答えてしまった」
(70代 不動産管理)「『お金が引き落とされない』とありえないショートメールがくる、最初から関わらないようにしている」
Q.詐欺に遭わない自信はある?
「なんとなくある」
しかし、専門家は…。
(特殊詐欺に詳しい・立正大学 西田公昭教授・司法・犯罪心理学)「特別に自分だけは大丈夫だと思わないこと」
特殊詐欺について詳しい立正大学の西田公昭教授です。詐欺にだまされる人の心理状態とは?
(特殊詐欺に詳しい・立正大学 西田公昭教授・司法・犯罪心理学)「(犯人に)臨場感たっぷりにやられればやられるほど感情は舞い上がっていく。(途中で)気づくのではと誤解している人が多いが、初めから詐欺ではないかと思って聞いていると怪しいところを発見することは可能だが、最初から本物だと思って聞いていれば本物に聞こえてくる。」
「誰しもが詐欺の標的になり得る」と話す西田教授。騙されないための3つのポイントは?
1・自分だけは大丈夫と思わない
2・例え、市役所など公的機関を名乗っていても、電話でお金を要求されたら疑う
3・怪しい電話がかかってきたら、すぐにまわりに相談する
西田教授はこの3点を踏まえた上で、「詐欺にあわないための心構え」も持ってほしいと話します。
(特殊詐欺に詳しい・立正大学 西田公昭教授・司法・犯罪心理学)「とっさの判断で対策をとらなければいけないので、練習していないと難しい。そうなったときにどうやって確かめるのか、こうしたら(詐欺かどうか)確かめられると深く考えておく必要がある」