霧島市で知人男性の胸を刺し殺害した罪に問われている男の裁判員裁判で、検察は懲役25年を求刑しました。
殺人の罪に問われているのは、本籍が東京都の無職・金城昇被告(68)です。
起訴状などによりますと金城被告は去年7月、霧島市の施設に暮らす作業員・徳地優雅さん(当時48歳)の胸を包丁で複数回刺し、殺害したとされています。
現場は、薬物やアルコール依存症の社会復帰を支援する施設で、金城被告は元入居者で徳地さんと知人でした。
25日の裁判では、徳地さんの弟が意見陳述で「面倒見のよい兄だった。アルコール依存症を克服しようと施設に入り社会復帰をめざしていた兄の将来を奪った被告を許せない」と述べました。
検察は、「犯行後に『やってやった』と達成感を言葉にしていて、人命を軽視している」とした上で、「包丁は心臓にまで達していて強固な殺意に基づく犯行」などと指摘し、懲役25年を求刑しました。
一方、弁護側は、「被害者からけんかを売られるような言動があり不満を抱いていた。犯行後、警察に自ら名乗り出ていて反省している」として懲役17年が妥当と訴えました。
判決は、今月31日に言い渡されます。