今月5日に警察庁へ異動が決まった県警の野川明輝本部長がきょう1日、離任会見を開きました。
今年4月以降、県警の警察官らが相次いで逮捕・起訴され真相の解明が進んでいない中での異動について、野川本部長は「自分への疑念が晴れないままでの異動は心残り」と述べ、県民に謝罪しました。
(野川明輝本部長)「一連の非違事案を巡って、県民のみなさまに多大なご心配、ご迷惑をおかけしたことを、改めてお詫びを申し上げる」
冒頭、県民への謝罪ではじまった野川明輝本部長の離任会見。
県警はきのう31日、事件の捜査で適切な対応をしなかったなどとして、警察官36人を処分していて、処分のタイミングが自身の離任と重なったことについて問われると…。
(野川明輝本部長)「いずれの事案についても、認知後に県警察において必要な調査を行い、その結果が整ったことから処分を行った」
Q.自分自身の離任のタイミングと全く関係がない?
(野川明輝本部長)「調査を尽くした結果が整ったという段階、異動とは関係がございません」
県警では今年の4月以降、県警の警察官らが相次いで逮捕・起訴されるなど不祥事が相次ぎました。
県警の内部情報を漏えいしたとして逮捕・起訴された前の生活安全部長・本田尚志被告は「野川本部長が不祥事を隠蔽するよう指示した」と主張。一方で野川本部長は隠蔽を否定してきました。
(野川明輝本部長)「県民の間にまだ疑念が残っているものと認識をしていて、私の在任期間中にそれを晴らすまでに至らなかったこと、大変申し訳なく思っている。私は異動するが、私がどこにいたとしても、過去に起きた客観的事実は変わることがないので、私自身が説明するよりも説得力のある方法によって事実が明らかになってくることを期待している」
県議会では強い調査権限を持つ百条委員会の設置を求める声もある中、野川本部長は離任後に議会に出席するかは明言せず、今後の裁判や再発防止策の進捗についても「見守る」と述べるにとどまりました。
Q.協力を求められた時にもしっかり協力していく、鹿児島県警の再発防止を今後も見届ける、協力していくという認識か
(野川明輝本部長)「個人的にはその思いはあるが、公の立場からすると、現職の本部長に対してOBが介入するのはなかなか難しい面がある。ただ、思いとしてはやはり心残り、見守りたいと思う」
(キャスター)
野川本部長を巡っては、前の生活安全部長が「不祥事を隠蔽した」と主張していますが、この点が明らかになっていないままでの離任となりましたね。
(記者)
野川本部長は1日の会見で、疑念が残る中での離任を謝罪しながらも、「過去に起きた客観的事実は変わることがない」と説明しました。
元警察大学校の校長で、京都産業大学の田村正博教授はどう見ているのか、聞きました。
(元警察大学校長・京都産業大学 田村正博教授)「トップというのは具体的な行動も必要だが、同時に県警を象徴する機能。問題だったと言われている人が象徴するよりは、言われていない人が象徴するほうが本来の新しい県警としてふさわしい」
(元警察大学校長・京都産業大学 田村正博教授)「本当だったらもっと早く異動している。(本部長は)県警を代表し職員を統率するのが仕事。そういう者として長官注意を受けた人が残っている方が極めて異例」
(記者)
野川本部長は今月5日付で警察庁長官官房付へ異動します。ただ今後の具体的な職務などは明らかになっていません。