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鹿児島県警本部長が離任…被害届受理されなかった女性「被害者が蚊帳の外」

MBC南日本放送 2024年11月1日 21時9分

(キャスター)
県警は野川本部長の離任を前にきのう31日、詐欺など3つの事件について、被害者への相談対応や事件処理が不適切だったとして、30人以上の警察官を処分したと発表しています。

(記者)
県警は2020年から2022年の間に鹿児島中央署・鹿児島南署で対応した詐欺事件、鹿児島中央署で対応した強制性交事件、この3つの事件に関わった20代から60代までの現職警察官ら36人を処分しました。

事件の捜査で被害届をすぐに受理せず、捜査が遅れたことなどが問題となっています。

元警察大学校長の田村正博教授は本部長の離任前日という処分のタイミングについて、次のように話します。

(元警察大学校長・京都産業大学 田村正博教授)「(本部長が)いる間にやるべきことはやっておくということなのだろう。後任者が責任者として考えるのは大変なので、状況を分かっている人が知識をもとに自分が変わる前に判断をした」

(キャスター)
事件で実際に被害を受けた人はどう受け止めているのでしょうか?

(記者)
処分が発表された3つの事件のうちの1つ、県内の50代女性が詐欺被害にあった事件では、女性が鹿児島南警察署に被害を訴えた際、被害届が受理されませんでした。対応した男性警察官は、事実と異なる内容の書類を作成したとして、虚偽公文書作成等の疑いで書類送検されています。

不適切な対応をされたという事件の被害者は、今回の処分と県警本部長の離任について受けとめを取材しました。

詐欺事件の被害にあった県内の50代女性です。女性は、当時対応した鹿児島南警察署の警察官らの処分をきのう31日の報道で知ったといいます。

処分の説明と謝罪を求めてきょう1日、県警本部を訪れました。

(不適切な対応を受けた女性)「知ったのはテレビニュース」

Q.謝罪は?
(不適切な対応を受けた女性)「全くない。事前になんの連絡もなかった。マスコミ発表の前に私に謝罪してほしかった。ずっと訴え続けてきたので」

およそ1時間後、面会を終えた女性は、県警の対応を批判しました。

(不適切な対応を受けた女性)「まったく寄り添った対応はしてもらえなかった。全部『伝えておきます』と。謝罪がなかったことも『伝えておきます』と。なにもわからない。なにも知らされていない。被害者本人が蚊帳の外。被害者に謝罪するのが一番大事だと思う。まず私に謝罪してほしかった」

(キャスター)
女性は「県警から謝罪が無かった」と話していましたね。

(記者)
取材で女性は「県民に寄り添う気持ちが県警から感じられなかった」と話していました。こうした県警の対応について、街では厳しい声も聞かれます。

(60代)「1人でも何人でも道から外れたことをしたら(処分)は常識。しないほうがおかしい」「(野川本部長は)本当のことを県民に教えて、本人が(責任を)とってから異動するのがよい」

(70代)「(処分人数が)多いと思う。自浄作用が働かないのでそういう意味ではよかった」「(野川本部長の異動は)これ以上問題を大きくしたくないという配慮が働いて鎮静化を図っているのかなと思う」

(キャスター)
街では厳しい声も聞かれましたが、県警が今後、どう信頼回復するかがポイントですね。

(記者)
元警察大学校長の田村さんは、「自分たちの過去の誤りを隠すのではなく、新しい本部長のもとで明らかにし、改善していく姿勢が大切。県警が本来のあるべき姿に変わる1つの過程になる」と話しています。

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