鹿児島県警は7日、新たに県内で被害が確認されたうそ電話詐欺やSNS型の詐欺の手口を公表しました。県内での被害額はことし、14億円以上に上っています。
県警によりますと、県内でことし1月から9月末までに確認されたうそ電話詐欺やSNS型詐欺は260件で、被害額は14億円を超えています。
県内で実際にことし発生した詐欺の事例です。
▶オレオレ詐欺
90代男性は10月下旬、自宅の固定電話に『特別調査班のヤマグチ』を名乗る男から電話があり、「あなたのカードで1億円が引き出されている。預金を調べる必要がある」などと言われました。
その後、電話の相手が検事を名乗る女に代わり、「特殊詐欺の関係で被害が出ているから警察と捜査をしている」などと言われ信じました。男性は、『ヤマグチ』を名乗る男から「あなたのお金を調べるためにお金をレターパックで郵送してほしい」と依頼され、指定された住所に2回ほど合計およそ900万円を送りだまし取られました。
県警は「警察官や検察官が現金の振り込みや送付を指示することは絶対にない」として、警察や家族などに相談するよう呼びかけています。
▶架空請求詐欺
20代女性は8月上旬、スマートフォンのSMS(ショートメッセージサービス)に「お客様窓口・宮下より」とメッセージが届き、URLをタップしたところ「25億円が送金されます」と表示されました。
その後、「宮下」から「25億円を受領するためにカードを作る必要がある」とメッセージが届き、カード作成に必要なポイントを購入する目的などでコンビニで3回ほどあわせておよそ3万円分の電子マネーを購入し、「宮下」に電子マネーの番号を伝え利用権をだまし取られました。
県警は「高額当選」や「お金を支援します」といったメッセージは詐欺のおそれがあるとして、うのみにしないよう呼びかけています。
▶SNS型投資詐欺
60代女性は9月上旬、スマートフォンでユーチューブを閲覧中に表示された副業広告のURLをタップしました。女性は、副業担当者からLINEで紹介された動画のスクリーンショットを送るだけの副業を開始し、担当者から報酬としてpaypayで300円を受け取りました。
女性は報酬を受け取ったことでこの副業を信頼し、その後、担当者から「暗号資産投資を通じて手数料を稼ぐ高額報酬案件がある。送金額に対して30パーセントの報酬が得られる」などと暗号資産投資を勧められました。
女性は担当者の話を信じ、担当者から指示された口座におよそ11回あわせておよそ200万円を振り込んで送金し、だまし取られました。
▶SNS型ロマンス詐欺
40代男性は9月中旬、マッチングアプリで日本人女性『よしこ』を名乗る人からダイレクトメッセージを受け、その後、LINEのでのやりとりを重ねて恋愛感情を抱きました。
男性は『よしこ』から「私はオンラインショップを運営していて収益がよい。一緒に運営したら追加の収入を得られる。これで2人の将来の生活費を蓄えられる」などとネットショッピングの副業を勧められ、必要なサイトに登録し、サイト内のチャットで指定された口座に商品購入名目でおよそ9回、あわせておよそ700万円を振り込んで送金し、だまし取られました。
県警によると、マッチングアプリやSNSで、投資などのもうけ話を持ち掛けて現金や暗号資産をだまし取る詐欺が多発しているということです。こうした詐欺で相手が指定する振込口座は、依頼人などと異なる名前の個人名義や法人名義、外国人名義であったり、口座が度々変わったりするなどの特徴があるということです。
県警は会ったことのない相手からの現金の要求やもうけ話は詐欺を疑い、警察や家族などに相談してほしいとしています。