与論町に大雨特別警報が出されています。最大級の警戒をしてください。9日午後1時現在の被害などの情報です。
与論町付近では9日午前1時すぎ、1時間におよそ120ミリの猛烈な雨が降ったとして、記録的短時間大雨情報が発表されました。現在、大雨特別警報が出されていて災害発生の危険度が急激に高まっています。
(与論町総務企画課 龍野勝志課長)「車も水没して車を乗り捨てて避難したというケースも聞いた、これまでにない大雨だった」
与論町では7日からの総雨量が、1年間に降る雨の3分の1にあたる609ミリに達していて、県道わきの斜面が崩れ通行止めとなっているほか浸水被害も確認されています。スーパーでは、冷凍庫が倒れ、棚の商品も床に散乱していました。
夜が明けて雨が小康状態になると、復旧作業に取り掛かっていました。
(町民)
「きのうの夜中の豪雨は激しくて、実家にいたが、怖かった」
「1メートルの高さまで水が入った」
気象庁は土砂災害、低い土地の浸水に最大級の警戒を呼び掛けています。
【28棟が床上・床下浸水】
与論町によりますと、町内でこれまでに▼床上浸水が19棟、▼床下浸水が9棟、▼道路の冠水が32か所で発生しているということです。停電や断水の情報は入っていません。
【斜面崩れ通行止め】立長集落では、▼県道623号沿いの斜面が高さおよそ50メートル・幅30メートルにわたって崩れて通行止めとなっているほか、この現場近くの町道の一部も土砂崩れで通行止めとなっています。
【軽ワゴン車が畑に転落】▼9日午前5時半ごろ、島の北側にある那間集落で、40代男性が運転する軽ワゴン車が冠水した道路を走行中、道路わきの畑に転落しました。男性は消防などに救助を求めましたが、自力で車から脱出し、けがはないということです。
与論町では大雨に伴い、交通に影響が出ています。(午前11時 更新)
【海の便】
与論島と鹿児島・沖縄を結ぶ「フェリーあけぼの」「フェリー波之上」は、海上の波が高いため、与論島への入港の遅れや寄港しない可能性がある条件付きでの運航となっています。
【空の便】
与論空港発着の空の便も、到着の遅れや引き返す可能性がある条件付きでの運航です。
【路線バス】
島内の路線バスは朝から運行していますが、道路状況によっては一部の区間で運休する可能性があります。
県と与論町は、災害対策本部を立ち上げていて、情報収集など対応にあたっています。
【今後の雨の見通し】梅雨の時期や台風を含めても、これまでにない雨
奄美の南部、雨は小康状態となっていますが、この後また活発な雨雲が局地的にかかる見込みです。与論町に大雨特別警報が出ています。身の安全を図って最大級の警戒を続けてください。
降り始めからの雨量、与論では、600ミリを超える記録的な大雨となっています。梅雨の時期や台風を含めても、これまでにない雨となっています。
さらに、9日夕方にかけては、1時間に50ミリの非常に激しい雨のおそれがあります。そして、10日の昼までの予想雨量は多い所で150ミリ。シミュレーションによると、沖永良部で100ミリを超える雨量が予想されていますが、あくまでシミュレーションのひとつで、降る量や場所は変わる可能性もあります。
警戒事項をまとめます。与論町では、9日夕方にかけて、土砂災害や浸水に最大級の警戒。和泊町、知名町でも土砂災害への厳重な警戒が必要です。