鹿児島県警は17日、県内で被害にあったうそ電話詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の手口を新たに公表しました。県内での被害額は、今年10月末時点でおよそ16億5000万円にのぼっています。
県内で発生したうそ電話詐欺の事例です。
県内に住む30代の男性はおよそ100万円をだまし取られました。
今年11月下旬、『携帯電話会社社員のタカハシ』を名乗る男から電話があり、「携帯電話が不正に契約されている。警察官に説明してください」などと言われました。その後、『大阪府警のワタナベ』を名乗る男に代わり「あなた名義の口座に詐欺の被害金が1億円くらい入っている」などと言われました。
その翌日に再びワタナベから電話があり「あなたは逮捕される。逮捕を免れるためには保証金を支払わないといけない」などと言われ、指定された口座におよそ100万円を送り、だまし取られました。
続いて、29万5000円をだまし取られた50代男性の事例です。
今月上旬、『+1』から始まる番号から電話があり、『電話会社職員』を名乗る男から「あなたはクラウド契約しているが、利用料が1年間未払いになっている。民事裁判の手続きをとる」などと言われました。
身に覚えはなかったものの「裁判を免れるためにはどうすれば良いか」と尋ねると「弁護士費用を含めて29万5000円支払う必要がある」と言われました。
男性が「キャッシュカードが手元になく振り込みができない」と伝えたところ、「29万5000円分のAppleギフトカードを買ってカード番号を教えてください」と指示されました。
男性はギフトカードを購入し、相手にカード番号を伝え、カードの利用権29万5000円分をだまし取られました。
続いて、およそ140万円の被害にあった20代の女性です。
今年10月上旬、スマホを操作中に「スキマ時間にサクッと自動収益」などと表示された副業広告を見つけました。アクセスしたところ、副業担当者から電話があり「広告の文字を入力するだけで1日30分から1時間で月に30万円稼げます」などと説明されました。
女性はその後、副業はしていませんでしたが、11月上旬、副業担当者から電話があり「149万8000円の高額報酬の副業プラン」を紹介されました。「サポートが充実している。入金した分は返ってくる」などと説明され、指定された暗号資産のアドレスにおよそ140万円分の暗号資産を送り、だまし取られました。
最後に、SNS型投資詐欺の事例です。
およそ1500万円をだまし取られた50代女性の事例です。
今年8月中旬、インターネットで見つけた「先生の話を聞いて学びながら実践すると着実に資金が増える」などと表示されたサイトに個人情報を登録しました。その後、『投資アシスタントの加藤真美子』と名乗る人物や、紹介された『株式投資に詳しい先生』と連絡を重ねました。
その後、加藤真美子から「『収益計画協会K1』というグループLINEで先生から購入する株を指示される」と説明され登録し、指示された口座におよそ8回にわたって、合計およそ1500万円を送りだまし取られました。
県警は「警察官や検察官が現金の振り込みや送付を指示することは絶対にない」としています。また、「簡単に稼げることを強調する広告は詐欺の可能性がある」として、お金や電子マネー、暗号資産を要求された場合は警察や家族に相談するよう呼びかけています。