去年8月の日向灘を震源とする地震では「巨大地震注意」が発表されました。13日の地震と去年の地震、どのような違いがあったのか?南海トラフ地震との関連を調べる気象庁の評価検討会の委員に聞きました。
(南海トラフ地震評価検討会委員 京都大学・西村卓也教授)「一番違うのは地震の規模・マグニチュード」
地殻変動論が専門の京都大学・西村卓也教授です。南海トラフ地震の評価検討会の委員の1人で、13日夜の検討会にも参加しました。
西村教授らが検討会で、南海トラフ地震との関連を調べる指標の1つとして算出したのが、より精度の高い地震の規模を示す「モーメントマグニチュード」です。今回の地震は6.7で、「巨大地震注意」の発表基準となる7.0に達していませんでした。
(西村卓也教授)「マグニチュード7.0を超えるかで判断。今回は6.7で満たないため『調査終了』が出た。モーメントマグニチュードがきのうは6.7。去年8月は7.0。(マグニチュードが)0.3違うので、3倍くらい地震のエネルギーが違う」
一方で、こうした評価検討会の調査結果が発表されるまで、最短でもおよそ2時間かかります。その間、地震への心構えを一段階高めてほしいといいます。
(西村卓也教授)「次の大きい地震が2時間経たずに来る場合もあり、防災対応が間に合わない事態を避けるため、『検討中』という情報を出す。この段階で普段とは違ったことが起きていると、避難経路や備えを確認する時間にしてほしい」
今回は「巨大地震注意」などの発表には至らなかったものの、西村教授は、「巨大地震が起きる確率が下がったわけではない」と強調します。
(西村卓也教授)「普段から発生確率が高くなっている地震なので、それが下がったわけではない。南海トラフ地震に対しては今まで以上に注意が必要。日本列島に住む限り、地震に対する備えはしっかりしておかないといけない」