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参院選まであと半年、立候補の動き活発に 保守・野党分裂含みの混戦か 鹿児島

MBC南日本放送 2025年1月20日 19時38分

(キャスター)鹿児島でも動きが活発化している参議院議員選挙について、担当記者とお伝えします。

(記者)参議院は今年7月に任期満了を迎え、通常国会の延長がなければ、半年後の7月20日投開票となる見通しです。

定数1の鹿児島選挙区を巡っては、自民党現職の尾辻秀久さんが去年、引退を表明し、年明けから動きが慌ただしくなっています。

現時点では、自民党で元参議院議員・園田修光さん(67)が立候補を予定、尾辻さんの三女で無所属の尾辻朋実さん(44)が立候補の意向を示し、自民党県議の外薗勝蔵さん(73)も出馬に意欲を示しています。

(自民党公認で出馬へ 園田修光元参議院議員)「どこに住んでいても教育も受けられる。あるいは医療も受けられる。あるいは介護も受けられる。元気のある鹿児島をつくっていきたい」

(無所属・立憲推薦で出馬へ 尾辻朋実氏)「父を正しく継承しつつ、どれだけ怒られても胸を張って2世だと言い続ける。これからの新しい政治をつくらなければいけない」

(無所属で出馬へ 自民党・外薗勝蔵県議)「昭和の政治の総決算。年齢がいっているかもしれないが(出馬への)思いが日々強くなっている」

(キャスター)参院選で焦点の1つが、去年の衆院選で過半数割れとなった与党の動きですよね。

(記者)そうですね。石破総裁は参院選で「過半数を勝敗ライン」としています。

こうした中、自民党の公認候補を巡っては、去年7月、県連の公募に対し、園田さん、外薗さん、尾辻さんを含む9人が応募しました。県連は園田さんと外薗さんの2人に絞ったあと、党本部は情勢調査の結果を参考に先月、園田さんの公認を決めました。

こうした中、今月に入り、自民党の公認が叶わなかった尾辻さんの三女・朋実さんが立憲民主党の推薦を受け、無所属で出馬する意向を明らかにし、外薗さんも無所属での出馬に意欲を示しました。

(キャスター)尾辻さん、外薗さんも出馬すれば、保守分裂となりますね。

(記者)そうなんです。自民党県連の森山会長はどう受け止めているのか、聞きました。

(自民党県連 森山裕会長)「一緒に政治活動してきた人が無所属やほかの政党で出るのは複雑な気持ちだが、それぞれ考えがあることだと思う」

(キャスター)与党は「保守分裂」の様相ですが、野党の動きはどうですか?

(記者)尾辻朋実さんを推薦する立憲民主党の川内博史選挙対策委員長は、次のように述べています。

(立憲民主党県連 川内博史選挙対策委員長)「広く県民の皆さん、自民党からも票をもらわないといけないので、無所属。野党の信頼の厚い尾辻秀久氏の思いを継ぐ、意志をつないでいく朋実さんは我々と向いているところが同じ」

(記者)川内選挙対策委員長は尾辻さんについて、父・秀久さんの政治資金団体を継がないため、「世襲にはあたらない」との認識です。ただ、立憲民主党内外では「この理由に有権者は納得するのか。丁寧な説明が求められる」といった声も上がっています。

野党ではさらに、国民民主党や共産党も公認候補の擁立を目指し、混戦模様となりつつあります。

(国民民主党県連 三反園輝男代表代行)「国民民主党の候補を各県連で立てていきたいし、政党として党勢拡大というのは公認で戦ってくれるか否か」

(共産党県委員会 山口広延委員長)「今度の参院選が自民党、公明党政治を大きく変える政治戦にしたいと思っている。独自で候補者を立てていきたいと思っている」

(キャスター)前回は野党で共産党を含む候補者を一本化する「野党共闘」の動きがありましたが、今回は様相が違いますね。

(記者)はい。立憲民主党と国民民主党はそれぞれが擁立したい候補の支援について、今後、連合鹿児島と社民党、県議会会派の県民連合とでつくる「5者会議」に提案することになります。ただ、5者会議のメンバーからは「野党で候補を一本化しないと、与党に勝てない」との声も上っています。

(社民党県連合 川路孝代表)「衆議院選挙に引き続いて、自公政権を過半数割れに追い込まなければいけない。野党候補の一本化と市民と野党の共闘をしっかりつくらなければ勝利の展望はつくれない」

(県民連合 福司山宣介会長)「すでに立憲民主党は党本部の推薦まで決まっている。決まったあとに5者会議に持ってくるので、それなりの政治的な哲学や思想、理念がきちっとしていて、その上での結論だと思うので方向性をしっかり聞きたい」

(連合鹿児島 下町和三会長)「大きな(野党)第一党の立憲民主党がきちんと国民民主党と連携し、ほかの野党も含めて糾合(結集)していく大きな努力をしてもらわないといけない。どこで合意できるか探っていかないといけない。時間はかかる」

(記者)自民党を中心とした「保守分裂」に加えて、野党分裂の様相となる中、前哨戦から波乱含みの展開となっています。

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